人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第16回 重要なのは「課題の抽象化」

今回お聞きしたいのは、「従業員満足度研究所株式会社」の代表である藤原さんにコンサルをお願いしたら、どんなことをやっていただけるのか、です。

確かに私も「こんな雑談でいいのかな?」って思っていた時期がありました(笑)。でも、実は雑談の中から生まれることって多いんですよね。それに社長って基本的に孤独なんで、「プライベートの悩みにのってもらいたい」ってニーズもけっこうありますし(笑)。

ああ、なるほど。藤原さんと言えばクレドづくりというイメージありますもんね。とはいえ、それについては藤原さんが作った映像「クレドセミナー教材」があるじゃないですか。あれを案内すれば済む話なんじゃないですか?

そうなんですけどね。結局、社長さんの悩みって一面的ではないわけですよ。もちろんその一つとして「クレドを作りたい」というものもあるんでしょうけど、話していると「なぜ定着率が高まらないんだろう」「なぜ採用がうまくいかないんだろう」といろんな悩みが出てくる。そういうあれこれの壁打ち相手として、私を選んでくださるんでしょうね。

そうなんですよ。最初はクレド作りに関する話をしていたんですが、話は自然と経営者さん自身の考え方とか価値観にうつっていく。要は、経営者さんの「意識の変容を促すレクチャー」のような内容になっていくんですね。

ああ、なるほど。つまり藤原さんは「答え」を与えるコンサルをするわけではない。「自ら気づく方法」を教えるわけですね。ビジネスの場でも「魚を与えるか、釣り方を教えるか」という話がよく出ますが、まさに「釣り方」を教えると。

ははぁ、面白い。つまり「コンサルタントに依存しないためのコンサル」だと(笑)。個人的にもすごくいいと思うんですが……でも、そもそも自分の頭で考えられる方でないと、抽象化・具体化みたいな話をしても通じない気がしますが。

そうやって、相手にとってわかりやすい表現を心がけてますね。で、興味を示してもらえたら、私が壁打ち相手になりながら、具体的な課題をちょっとずつちょっとずつ抽象的にしていく。十分抽象化されたら、今度はまた具体の方にちょっとずつ戻っていく。

まさにそんな感じです。そうすることで、「◯円」「◯%」「◯人」というような具体的な課題で頭がいっぱいだった社長が、「あれ? 俺ってなんで会社を始めたんだっけ」「従業員にどんな想いで働いてもらいたいんだっけ」というような抽象的かつ本質的な問いに向き合うようになってくれる。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。