【vol.167】コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)~旅行~

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


前回からはMcKinsey(マッキンゼー)が年初に寄稿した記事から、コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)を考えたいと思います。

今週の記事はこれ

The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond
(ニューノーマルがやって来る:2021年とそれ以降の世界を決定づけるトレンドとは?)

https://www.mckinsey.com/featured-insights/leadership/the-next-normal-arrives-trends-that-will-define-2021-and-beyond

2021年以降のニューノーマルを定義づけるいくつかのトレンドがリストアップされています。

先にリストを提示しておきます。

・The return of confidence unleashes a consumer rebound
・Leisure travel bounces back but business travel lags
・The crisis sparks a wave of innovation and launches a generation of entrepreneurs
・Digitally enabled productivity gains accelerate the Fourth Industrial Revolution
・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
・Supply chains rebalance and shift
・The future of work arrives ahead of schedule
・The biopharma revolution takes hold
・Portfolio restructuring accelerates
・Green, with a touch of brown, is the color of recovery
・Healthcare systems take stock—and make changes
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
・Stakeholder capitalism comes of age

先週の続きを見ていきます。

・Leisure travel bounces back but business travel lags
(プライベート旅行は回復するが、出張の回復は遅れる)

History shows that, after a recession, business travel takes longer than leisure travel to bounce back. After the 2008–09 financial crisis, for example, international business travel took five years to recover, compared with two years for international leisure travel.

歴史的に見て、不景気の後には、ビジネス出張はプライベート旅行よりも回復に時間がかかっている。例えば2008-09年の経済危機の後、プライベートの海外旅行は2年で回復したのに対して、出張は5年かかっている。

まあ肌感覚ではわかりますね。出張はまだまだ再開されないけども、個人レベルの旅行は早々に回復傾向に入るでしょう、ということです。

ビジネス出張の「回復が遅れる」理由および「一度回復傾向に入ると急激に回復が進む」理由のひとつとして、下記のような分析がされています。

Peer pressure may also play a part: once one company gets back to face-to-face meetings, their competitors may not want to hold back.

Peer pressure (ピア・プレッシャー)も要因になる。ひとたび、ある会社が対面会議を再開すると、競合各社もこらえきれなくなって対面に戻すだろう

 

「いつか役に立つかも英単語」として、Peer pressure (ピア・プレッシャー)を取り上げます。

Peer pressure (ピア・プレッシャー):同調圧力
昔でいうと「仕事終わっているのに、皆が残業しているから自分も帰れない」的なやつですね。

このPeer pressure (ピア・プレッシャー)が要因となって、いろんな会社が顔を見合わせて「出張回避」しているのが「今ココ」で、どこかの会社が出張解禁にすると、周囲の競合企業も一斉に出張解禁するのが「ちょっと先の未来」という感じでしょうか。

個人的には、どこかの会社が出張解禁にすると、周囲の競合企業も一斉に出張解禁、という現象は「Peer pressure (ピア・プレッシャー):同調圧力」というよりも、「FOMO:取り残される不安症候群」という気がします。

FOMOは、以前取り上げた気がします。
FOMO(Fear Of Missing Out):取り残される不安

これも「いつか役に立つかも英単語」です。

 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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