【vol.276】航空業界のトレンドや近未来(機械学習)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に引き続き「航空業界のトレンドや近未来」についての記事を読んでみたいと思います。
「Future Travel Experience(未来の旅行体験)」という名前のサイトの記事です。

今回の記事はコレ

10 technology trends that can enhance airline and airport operations in 2023
(2023年、航空会社と空港のオペレーションを強化する10のテクノロジートレンド)
(https://www.futuretravelexperience.com/2023/01/10-tech-trends-that-will-shape-passenger-experiences-and-business-performance-in-2023/)

10個のテクノロジートレンドは下記の通りです。

1.Automation and robotics
2.Artificial Intelligence and Machine Learning
3.Metaverse, digital twin and NFT
4.Personalisation
5.New approaches to retailing
6.Urban Air Mobility
7.Biometrics and digital identity
8.Private Networks
9.Return to collaboration with startups
10.Sustainability

 

2.Artificial Intelligence and Machine Learning
(人工知能と機械学習)

We are particularly impressed by the capabilities of ChatGPT – a chatbot utilising AI and ML, which was launched by OpenAI in November and is generating a lot of attention. It is, of course, very early days, but we are excited about the possible applications in aviation and how it might be utilised.

オープンAIが11月に発表し、注目を集めているAIとMLを活用したチャットボット、ChatGPTの能力には特に感銘を受けている。もちろん、まだ始まったばかりですが、私たちは航空業界への応用の可能性と、それがどのように活用されるかに期待しています。

なるほど、ChatGPTの波は航空業界にも押し寄せていて、航空関連各社が「どうやって業務に取り入れようか?」を検討しているフェイズなのですね。

Korean Air is among the airlines working towards introducing a machine learning management service, which will allow the airline to create, train and apply machine learning models to improve customer service by forecasting passenger and cargo demand more accurately.

大韓航空は、機械学習管理サービスの導入に向けて取り組んでいる航空会社のひとつであり、このサービスでは、機械学習モデルを作成、訓練、適用することで、旅客や貨物の需要をより正確に予測し、顧客サービスを向上させることができる。

大韓航空では、AI(人工知能)とML(機械学習)を活用した事例が既にあるようで、「需要予測」の目的で使われているようです。
確かに航空旅客数や貨物量は、過去の大量データの蓄積から正確な予測ができそうですよね。従来だと「季節」「天候」「景気」「曜日」などのいわゆる「説明変数」を用いて、統計解析処理をして(回帰分析など)試行錯誤しながら、各社でモデルをブラッシュアップしていく感じだったと思うのですが、まあ普通にAI&MLに委ねた方が正確でしょうね。

Narita International Airport is proactively incorporating robotics and AI to promote business efficiency and enhanced productivity. It is also moving forward with the use of AI with the aim to improve customer satisfaction by using and analysing AI trained on real customer feedback.

成田国際空港は、業務の効率化と生産性の向上を推進するため、ロボット工学とAIを積極的に取り入れている。また、実際の顧客の声をもとに学習させたAIを使用・分析することで、顧客満足度の向上を目指してAIの活用を進めている。

2つ目の事例は成田空港の事例でした。
ただ、内容が「顧客の声をもとに学習させたAIの活用」によって「顧客満足度の向上」すること、とかなりざっくりとした記載で、実際のところよくわかりませんね。。。
「顧客の声の大量データをAIに学習させて顧客満足度の向上を図る」というぼんやり具合は、よく政治家が使う「両国の友好関係のためには、継続的な対話が必要だ」という定型構文と同じくらいの無力感というか浮遊感ですね。。

ということで、せっかくなのでChatGPTに聞いてみました。

<プロンプト>
あなたは成田空港のカスタマーサービスを担当しています。過去の顧客の声がかなり蓄積されているはずですが、こうした顧客の声をAIに学習させて空港利用者の満足度を上げることは「どのようなフロー」で可能でしょうか?

<GPTの回答>
成田空港のカスタマーサービスを向上させるために、AIを活用して過去の顧客の声を学習させるフローを以下に提案します。

1.データの収集と整理:
過去の顧客の声が蓄積されているはずなので、これらのデータを収集して整理します。顧客のフィードバック、苦情、提案など、さまざまな形式の情報が含まれる可能性があります。

2.データの前処理:
収集したデータをAIモデルに学習させるために、前処理が必要です。テキストデータの場合、テキストをトークン化し、文章を分かち書きにしたり、スペルミスを修正したりするなどの処理が行われます。

3.感情分析とトピックモデリング:
収集したデータに対して感情分析やトピックモデリングを行います。感情分析により、顧客の声がポジティブ、ネガティブ、またはニュートラルなものかを判断します。トピックモデリングにより、顧客の主な関心事や話題を抽出します。

4.カテゴリー分類:
顧客の声をカテゴリーに分類します。例えば、入国手続き、出国手続き、施設、アクセス、スタッフなどのカテゴリーに分けることが考えられます。

5.フィードバックの要約と要因の特定:
カテゴリーごとに、顧客の声を要約し、主な要因やパターンを特定します。どのような問題が最も頻繁に発生しているか、またどの施設やサービスが顧客に好評かなどを把握します。

6 .顧客の声への対応策の提案:
特定された要因や問題に対して、改善策や対応策を提案します。これには、スタッフのトレーニング、施設の改善、案内の充実、情報提供の向上などが含まれます。

7.モデルの運用とフィードバックループ:
上記の学習されたAIモデルを実際のカスタマーサービスに組み込み、顧客の声をリアルタイムで分析し、対応策を提供します。また、新たな顧客の声が蓄積された場合は定期的にモデルを再学習させ、フィードバックループを確立します。

8.顧客への対応と改善:
AIによる分析結果を元に、カスタマーサービス担当者が顧客への対応や改善策を実行します。顧客のフィードバックが改善されたかどうかを追跡し、満足度の向上を図ります。

このようなフローを実行することで、過去の顧客の声から価値ある情報を抽出し、成田空港のカスタマーサービスの質を向上させることができるでしょう。AIの力を借りることで、大量のデータをより効率的に分析し、即座にフィードバックを提供できる点が利点となります。

↑ここまでGPT(原文ママ)

ということで、最初の回答でこのくらい出してくれるので、ここから何回かラリーしたらそれなりの業務フローできそうですね。
僕が考えるよりやはり「おまかせ」してしまった方が良さそうですw

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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