第36回「可視化が作る未来のマーケットとは?」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 36  「可視化が作る未来のマーケットとは?」

緊急事態宣言が出されたものの、どうも緊張感を持てない今日この頃。手洗いもついつい簡単に済ませてしまいます。
ですが、これがあれば、意識せずとも手洗いをしっかり出来そうです。


商願第2020-132747号(出願人:NSファーファ・ジャパン株式会社)
【商標】30秒手洗いサイン
【指定商品】せっけん類,医療用せっけん など


厚生労働省やユニセフは、感染症予防のために30秒の手洗いを推奨していますが、我々が日常で30秒を計ることはほぼありません。
NSファーファが販売する薬用ハンドソープMedic Aidは、はじめはオレンジ色の泡ですが、30秒もみ洗いすると色が白に変わる商品です。子供が遊び感覚で手洗いを覚えるのにも役立ちそうです。
本商標は「色の変化=手洗い時間の目安」という特徴を権利化しようとした試みです。

未来コンパスが指すミライ

さて、この商品のポイントは「可視化」、その中でも「基準の可視化」です。
石けんや化粧品のような衛生/美容商品は、効果が発揮されやすい適正時間がありますが、それがユーザーの使用時に可視化されることは稀で、結果として時間は守られません。

この「基準の可視化」を他の衛生/美容商品に応用したらどうでしょう。例えば、保湿や角質除去に使われるフェイスパックについて考えます。

女性向けウェブメディアMERYいわく、フェイスパックの適正時間はメーカーにより5~15分とマチマチであるところ、その時間を超過すると、(パックが湿っていても)顔が乾燥してしまい逆効果になるとのこと。それにも関わらず、フェイスパックは「ながら美容」なので、ユーザーはついつい時間を忘れがちです。
逆効果のリスクを考えると「基準の可視化」はユーザーメリットに直結します。

例えば、開封時に「白」、適正時間の5分で「ピンク」、乾燥が懸念される10分以降は「黒」といった具合の製品仕様です。時間や湿度によって変色する材料を使えばいいので、実現性はありそうです。
富士経済によると、パック(皮膚の疲労回復や角質の除去を目的に集中ケアとして使われる化粧料)の2019年の市場規模は、827億円です。0.1%のシェアでも8000万円の売上増。大きな金額です。
まだ誰も手を付けていない未来のマーケット、ご検討されてはいかがでしょうか。

ところで、ウチの妻は、毎日使いのフェイスマスクLuLuLunを愛用しています。
夫婦で使ってみると、こんな感じ。これがホントの「仮面夫婦」・・・スベっている確かなミライが見えました笑。

 


 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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