第57回「無人コンビニ」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第57回  「無人コンビニ」

2019年6月、秋葉原にある完全レジレス&キャッシュレスカフェに行きました。名前はDevelopers. I O。飲み物はスタッフが作るのですが、棚にあるスナックを取ると、レジを通さずにアプリに課金されます。「本当に買えている!すげー!」という面白さがありました。

運営するクラスメソッド社はクラウドの開発・運用会社で、カフェは本業ではありません。自社技術を試す実験店舗としてカフェをオープンさせたのです。クラスメソッドのチャレンジ精神が好きで、当時会社をサボってカフェに行ったのを覚えています笑。

未来コンパスが指すミライ

Developers. I Oに触れたのは、高輪ゲートウェイ駅にある無人コンビニTOUCH TO GOに行ってきたからです。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000034286.html
天井に設置されている小型カメラが客と商品を認識し、決済エリアに客が近づくとタッチパネルに商品と金額が表示される仕組みです。棚に戻した商品がカウントされていたり、アルコール購入時の年齢確認に時間がかかったりと改善は必須ですが、未来の店舗がそこまで来ているなぁと実感しました。

レジが無いというのは顧客にとって画期的ですが、働き手や取引先にも変革を起こします。突き詰めていけば、いずれは商品の補充や搬送も無人化を目指すことは目に見えているからです。

無人店舗が普通になってくることで、まずは店舗レイアウトが変わるでしょう。
コンビニ商品の前出しや陳列と言った複雑な作業をロボットが実店舗で行うにはまだハードルがありますが、 “飲み物コーナー”のようにバックヤードから商品を直接補充するような売り場が、中継ぎ的に増えると予想します。決まった場所に商品を移動させる技術は、物流倉庫で実証されており、転用可能だからです。ロボットが働く前提で商品棚やレイアウトが考えられるでしょう。

また、駅の作りそのものにも影響を及ぼすかもしれません。
駅構内の商品搬送をロボットに任せるとしたら、まず気になるのは段差です。本来は、1階だけの1フロアの駅が望ましいでしょうが、土地がない都心でそれを行うのは事実上無理。ひとまずは、同じ階の段差をなくすのが目標でしょう。商品搬送の課題が起点となり、駅のバリアフリー化が進みます。

無人か有人かという一つの違いが店舗のつくりに影響を与え、駅の構造をも変えるかもしれません。駅が変わるという事は街も変わるんだろうなと、無人コンビニで買ったワインを飲みながら考えています。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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