「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
【新連載】第1回 恩師は大手テレビ局のプロデューサー

今回から美容室「maCoto hair mahaloco(マコトヘアーマハロコ)」の経営者で、株式会社OHANA代表の岩上さんとの対談がスタートします。岩上さんと言えば常にアロハシャツを着ている「アロハ美容師」として有名ですね。

ああ、ブルーノートで開催された対談ですね。私が「ぼくら社」という出版社の編集長をしていた頃です。

そうですそうです。それ以前から安田さんの書籍は読んでいたんですが、安田さんがプロデュースされた絵本『発動せよ! 変人(かぶきもの)感性』でグーっと惹きつけられまして(笑)。

それで「こだわり相談ツアー」(安田佳生と食事をしながらビジネス相談する企画)にごお応募下さったんですね。失敗を重ねた者同士、膝を突き合わせて話したいと。

ああ、そうなんですね。つまり地元に戻って美容室を開く前、ということですよね。そう言われてみれば、私と出会う以前の岩上さんのことはほとんど知らないかもしれない。どんな人生を送ってきたんですか?(笑)

確かに、マーケティングの基本と言ってもいいくらいの話ですね。ただ技術や知識を持っているだけでは意味がなくて、それをお客さんに付加価値として提供しなければビジネスにはならないと。美容学校にしてはシビアな話をしてますね(笑)。

僕もそう思いましたけどね(笑)。でもそれにはカラクリがあって、実はその講師さん、普段は大手テレビ局のプロデューサーをしていたんです。だからこそ、美容業界にはない視点のアドバイスができたんだろうなと。

そうなんですけど、先ほど話したように、僕は「接客」を徹底的に学んできているわけです。だからシャンプーしながらお客さんの相談に乗ったりしていると、「私、あのスタイリストさんじゃなく岩上さんに切ってもらいたいんだけど」みたいな声がどんどん増えていくんです(笑)。

そうでしょう? で、怒鳴った先輩じゃない別の先輩がそれを理解してくれて、入社半年後にはお客さんの髪を切らせてもらってましたね。業界的に言えば、半年でスタイリストデビューなんて本当に珍しいことなんですけど。

人当たりだけは人一倍良かったから、かわいがってもらいましたね。それにチャレンジ精神も強かったので、やったことのない仕事にも積極的に挑戦してました。成人式の髪結いとか、経験ゼロなのに受けちゃったりして(笑)。

仰るとおりで、短い期間でグワーッと練習してなんとか間に合わせました(笑)。ただ、技術面以外の問題はほとんどなかったんですよね。お客さんがどんなスタイルにしたいのかは、コミュニケーションを取りながらばっちりイメージできていましたから。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。