その192「“悪”に惹かれる私たち」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「“悪”に惹かれる私たち」

最近、格闘技のイベントで、街の不良たちを戦わせるという企画が大ヒットしています。
出場者は知名度も上がって、スポンサーが付けばお金も稼げるとあって、出場希望者が増えているようですね。
本戦に出場するためのオーディションがあり、目立つために自分をアピールする必要があります。
出てくるのは主に不良たちで、「いかに自分が悪かったか」とこれまでの悪行を自慢げに語り、互いに威嚇し合い、ときには乱闘にまで発展することがあります。
そうして、オーディションの中で、全く無名の素人たちにバックストーリー(因縁)が創られていきます。
無名の素人同士の戦いをわざわざ見たいと思わないでしょうが、こうしてバックストーリーがあることで、関心度はグッと高まりますね。うまいやり方です。

この手の企画(動画)は、子どもたちにも人気なようで、影響を受けた子たちが喧嘩ごっこを始めたり、口が悪くなったりと、保護者的にはあまり見てほしくモノになっています。
しかし、こういう悪い影響はあっさり受けるのに、良い影響ってなかなか受けてはくれませんよねぇ。
例えば、整理整頓の動画を見ても、整理整頓ごっこを始める子どもはいないわけです。

江戸時代には、様々な悪人をモチーフに描かれた浮世絵が人気だった時期があったようです。
悪人には、絵師がモチーフにしたいと思えるほどの魅力(知名度含めて)があったのでしょうか!?
そんな絵師たちによって、格好よく、美しく描かれた“悪”に憧れる人も出てくるかもしれません。
これと同じ様に、動画を通して不良に憧れる子たちが出てきたのかもしれませんね。

“悪”に影響を受けやすいのは、何も子供だけに限った話ではなく、例えば会社組織でも、影響を受けてほしくない先輩から、影響を受けちゃう後輩の方が多かったりしません?よりによって、そこに懐く!?みたいな(苦笑)
彼らは人を先導したり、懐柔するスキルに長けているのでしょうか?
実際、不平不満の感情を引き出すのが上手い、吐露しやすいというのはあるかもしれません。
例えば、「あんな研修やってられないよね!?忙しいのにさ」と、悪い!?先輩から同意を求められたら?
人は「論理<感情」の生き物ですから、研修の内容について良いものだと頭では理解していても、一方で「忙しいのに研修を受けるのは面倒くさい…」という感情もあります。
なるほど、揺さぶられるわけですね(汗)

プロレスやアメコミの世界でも、悪役って一定の人気がありますよね。
正義の味方よりも「華」を感じることがありませんか?
なぜなんでしょう?
正義の味方が「誰かのために」というのを存在意義とするなら、一方で、「自分のために」を地で行くのが悪役。
僕らは論理的には前者が正しいと思いながらも、感情的には後者に共感を覚えるのかもしれません。
岡本太郎さんの著書『自分の中に毒を持て』を地で行くのが、後者と言えるのかもしれませんね。

自分に正直に生きる“悪”をちょっと見習って、「変な常識に縛られていないか?」と、現在地を確認してみるのも良さそうですね。

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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