クリニック経営は、厚労省の計画を参考に〜お医者さんは、なやんでる。 第170回 〜

第170回 「クリニック経営は、厚労省の計画を参考に」

お医者さん
お医者さん
ああ、いよいよ国が医療費削減に向けて本腰になってきた感じがするな。この先はいったいどうなっていくのやら。
お医者さん
お医者さん
イチ国民として理解できないわけでもないが、保険診療で喰っている我々にとってはたまらない。何とかならないものか……
国は医療費削減を今後も続けていく予定です。それについての計画が厚労省から出ていますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ……あなたは確か……
ご無沙汰しています。ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、そうだそうだ。確か以前は自由診療について教えてくれたんだっけ。今思えば、あなたが教えてくれたあのときに自由診療に舵を切っていれば、と思うよ。
まあ、保険診療が長い先生ほど、そう簡単には切り替えられないですよね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
いずれにせよ後の祭りだ。今後も私は保険診療で喰っていくのだろう。ちなみに先ほど厚労省の計画が出ている、と言っていたけど。
ええ。『第4期医療費適正化計画』というものです。内容を簡単に説明しましょうか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、ぜひ頼むよ。一体国はこれからどうしようとしているんだ?
1つ目は、「特定健診・保健指導」について。これについては今まで行ってきたことを続けていく、という内容です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ。なるほど。
2つ目は「重複投与・多剤投与の適正化」について。いろいろ書いてはありますが、要するに国は「電子処方箋」を活用してチェックしていきたいみたいです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ……電子処方箋か。それはそれで頭の痛い問題だ。
そして3つ目、「後発医薬品の使用促進」。これについても今までの方針を継続する形です。国としては80%を目指していくみたいですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ。まあそれについては特に異論はない。
4つ目は「高齢者への医療・介護の効果的・効率的な提供」。少し曖昧な表現ですが、疾病予防や介護予防の促進についてが書かれています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
国というのはいつも曖昧な表現をするからな。
書類とかもわかりづらいですもんね。ただ、5つ目は「効果が乏しいと言われている医療をやめる」。これについては割と突っ込んだ表現をしていますね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ほう、なるほど。まあ確かに、首を傾げたくなるような医療行為もあるからな。
そして最後の6つ目は、「医療資源の投入量に地域差がある場合の適正化」。項目名こそ違いますが、こちらも無駄な治療を削減するという内容です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどな。こうして聞くと、特におかしなことは言っていない印象だ。問題はこの計画が我々のような末端にどう関係してくるのか、ということだ。
仰る通りだと思います。ご自身でも内容をチェックいただき、影響のありそうな部分を確認しておくことをオススメします。それをもとにクリニック経営の戦略を立てるべきかと。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かにそうだな。国は我々の親会社みたいなものだものな。その方針にアンテナを張っておかねば、知らないうちに潰されてしまう。よし、自分でもその計画をチェックしてみるよ。

 

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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