お医者さんは、なやんでる。 第18回 「ネットの口コミをCM代わりに?」

第18回 「ネットの口コミをCM代わりに?」

お医者さん
お医者さん
最近のネットには病院の口コミも書かれるんだな…
お医者さん
お医者さん
患者さんがどんな意見を持って、どんな書き込みをしようが自由だが、こちらの意図が伝わってないのは辛いな…
でも先生、何も書かれないよりずっといいですよ。それだけ注目されてるってことなんですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
いや、そうは言ってもね。けっこう一喜一憂してしまうんだよ。…って、君は誰?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りなが ら「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん。じゃあ、他のお医者さんたちの状況も知っているわけだ。皆、こういう問題はどうされているんだろうか。
基本的には先生と同じですよ。いいことが書いてあれば喜んで、悪いことが書いてあれば落ち込んだり悔しがったり。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まあ、そうだろうな。患者さんが意見を書き込むことを我々は止められないんだし。ただ見てるしかないよね。
いや、そうでもないですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? そうでもないって?
意外と知られていないんですが、サイトによっては口コミに「返信」する機能がついています。これをうまく使うんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
返信の機能?
ええ。つまり、書き込まれた意見に対して、先生もコメントできるってことです。先生は普段、ご自身のポリシーに従って診察されていますよね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
もちろんだ。患者さんのことを真剣に考えて診察しているさ。
でも、そのポリシーが患者さんに正しく伝わっていない場合もある。伝わっていないから、患者さんが勝手に勘違いして、場合によっては悪い口コミを書き込んでしまったりする。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだよ。一人ひとりにじっくり説明できれば、そんな誤解もなくなるとは思うんだけどね。でも、限られた診察時間に、そこまでの余裕はないからなあ。
そこです。その説明を、「返信」という形で行えばいいのです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
先生のおっしゃるように、昼間の忙しい時間に、一人ひとり説明する時間はないでしょう。でも、ネットなら24時間いつでも書き込めます。たとえば休日、ほんの30分でいいので、ネットの意見に返信を書き込む時間に充てるだけで、状況は変わってくると思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど…ネットの意見に返信するなんて、考えてもみなかった。
さらに、ネットのすごいところは、「誰でも見られる」ということです。つまり、口コミに対して先生が行った返信は、書き込んだ本人だけでなく、そのページを訪れる全員が見れるんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうか。はじめから診察スタイルやポリシーがわかっていればミスマッチが少ないのか。
その通りです。さらに言えば、「この病院良さそうだな」と感じた人が、新規の患者さんとしてやって来るかもしれない。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
おお。つまり、顧客フォローと同時にCMにもなるってことか。
そうです。医療はCMにいろいろな制限がありますが、返信という形ならかなり自由に書き込めます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ。ちょっとネットを怖がりすぎていたのかもしれん。今度の休日にちょっと返信してみるか。
いいですね!きっと先生のスタイルに合った患者さんが集まるようになると思いますよ。
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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