第38回 「オンライン診察から始める病院改革」
お医者さん
ううむ……ここ数年でさらに売上が落ちたな。なんとかしないと。ウチもそろそろオンライン診察とか始めようかなあ。
お医者さん
ただ、やっぱり診療報酬の低さがネックになってくるな。まさに薄利多売というか、数をたくさんこなさないと、儲けるどころか赤字にもなりかねない。
いや、短期的に赤が出るとしても、挑戦する価値はあると思いますよ。
絹川
お医者さん
いやあ、さすがにちょっとね。売上をアップさせるためにやるんだから、多少でも儲からないと。…っていうかあなた、誰?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
確かに最初はいろいろと経費がかかりますし、ノウハウもないから苦労する部分もあるでしょう。でもオンライン診察の導入がキッカケで、病院経営が大幅な改善を見せるケースがあるんですよ。
絹川
お医者さん
ん? それはどうして?
順番に説明しますね。まず、病院に来られる患者さんは病気や不調を取り除くこと、つまりマイナスをゼロにすることが目的なわけですが、オンライン診察を選択する患者さんというのは、プラスの効果を求めています。たとえば、「ビジネス等のパフォーマンスを上げるために体の不調を改善する」とか。
絹川
お医者さん
ふむ。確かに、自分でネットを使って予約するわけだものな。診察を受けに来ているのか友達と喋りに来ているのかわからない患者さんより、意識は高いだろうね(苦笑)。
ええ。しっかりと付加価値をつけることができれば、多少高くても診察を受けてくれる人たちです。先ほど先生はオンライン診察の診療報酬の低さを心配されていましたが、意識の高い患者さんがターゲットならば「自由診療」も全然アリということなんです。
絹川
お医者さん
! なるほど、そういうことか。
もちろんオンラインで相応の価値を感じてもらわなければならないのですから、それなりにお金や時間をかけてサービスを作り込む必要はあるでしょう。しかし、それが一度できてしまえば、先生のもとには意識の高い、自由診療にも抵抗のない患者さんが集まり始める。
絹川
お医者さん
……なるほど。
もちろん、オンラインではできることが限られますから、実際には病院に来て治療してもらうことになりますよね。その場合、なんとなく来ていた患者さんより、自然と単価が高くなると思いませんか?
絹川
お医者さん
確かに、こちらとしてもいろいろな治療を提案しやすいね。
ええ。で、そういう患者さんの割合が増えていくと、何が起こるか。今ほどの患者数を確保していなくてもよくなるんです。極端な話、患者の単価が2倍になれば、患者数は半分でもいいわけです。
絹川
お医者さん
そうか。そうなれば今の半分の時間で売上が立つようになる。
仰るとおりです!その空いた時間で、さらにサービスの質を上げていく。そうなれば自然と口コミで広がって、オンライン診察の予約も増えていくでしょう。そこからはさっきと同じです。オンラインでしっかり価値を提供し、病院に誘導。そして単価の高い治療を受けてもらう。
絹川
お医者さん
う〜ん、確かにいい循環だ。
もちろんそれなりに時間はかかるでしょうが、すべての治療を自由診療にすることも夢ではないと思いますよ。逆に言えば、今からそれを目指して準備を始めておかないと、確実にジリ貧です。
絹川
お医者さん
なるほど、つまりオンライン診察を「目的」ではなく「手段」と捉えるってことか。
まさにそういうことです!良質な患者をオンラインで集めることで、保険診療から徐々に脱却していく、というプランです。
絹川
お医者さん
なんだかワクワクしてきたよ。もう少し具体的な相談をしてもいいかな?
もちろんです!最近こんな無料相談サービスを始めたので、ぜひこちらにお申し込みいただければ!
絹川
お医者さん
お食事相談ツアー? へえ、おもしろいね。さっそく来週あたりどう?
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。