キャッシュがダブついてるクライアントへの提案【読むPodcast | マネトレ95-後半】

同業者さんからのご質問。「キャッシュがダブついてるクライアント企業に何を提案すべきか?」とのこと。悩みがないクライアントさんには何を提供しましょう。(音声はこちら
円道

これ、何が悩みってことなんですかね。

大久保
悩みがないのが悩みなんでしょ。
円道

相手が?

大久保

相手が。

円道

そうですよね。相手、きっと、べつに……提案をしてほしいかどうかもわかんないですけど、これ、どう考えるんですか?

大久保

まあ、でも、あれなんじゃない?「お金あまってて、どうしたらいいんですか?」って聞かれて、どうやって答えたらいいかとか。

円道

はいはいはい。なるほどね。

大久保

まあ、順調な場合はそうだよね。投資もいらないビジネスだとね、あまっちゃうよね、やっぱね。

円道

うんうんうん。

大久保

外食とかだったら「出店すれば?」みたいな話もあるんだろうけど。

円道

はいはい。

大久保

まあ、でも、たぶん、このケースってどうなのかわかんないけど、何がしたいかだよね、この人が。問題がわかんないから悩みがないんでしょ。問題がないことは問題だと思うんだけど。

円道

おぉ。「何がしたいかわかんない」っていうのは、このクライアントさんの社長さんがってことですね。

大久保

ほんとに悩みがないのかどうかもわからないしね。

円道

うんうんうん。

大久保

この人は何をなそうとしてるのかをね、なんで会社やってんのかを、ちゃんと納得いくまで聞いていくっていうのが、まずひとつじゃないかなと思うんだけど。

円道

たしかに。そうっすよね。

大久保

うん。だって、世の中に役に立ってる事業をやってるから、そんだけ利益も出てんだろうからね。

円道

はいはい。たしかに。

大久保

どういうあれでやってんのかをきちんと共有するっていうのと、出口も、だから、「上場は嫌だ」っていっても「なんで嫌なんですか?」とか、やっぱ、納得いくまで聞いてないよね。


円道

この方がね、自分で納得できるように。

大久保

この方はわかんないけど、一般的に。まあ、うちでもそうかもしれない。

円道

ああ、そういうことですか。

大久保

つまり、「なんでそれやりたいんだっけ?」みたいな、「『こうやりたい』って言ってるんです。だからやりました」みたいな。「なんで?」って聞くと、まあ、あんまないよね、「上場したい」のほうがないかもよ。「上場したいんです」「なんでですか?」……で、割と素直に「上場したいからです」って言う人は多いけど(笑)

円道

多いですね、たしかに。

大久保

その自我だけだもんね。「そこじゃないのはなんでなのか」とか。あと、M&Aと承継とかしかないんだからさ。そうしていくと出口の話ももうちょっと突っ込んでいけると思うし、逆に、じゃあ「ほんとに何もないんです」っていう話だったら、まあ、若いのかもしれないけど、長い期間での資産形成みたいなのを提案するとか。

円道

たしかに。でも、たしかにこの文面でいくと、結局この社長さんとの関係がぜんぜん、どういう表現かわかりませんけど、詰められてないというか、「社長が何してるかわかってないっていうとこが問題なんじゃないですか」っていう話ってことですかね、ひとつ。

大久保

そう。そこの場合は借り入れもしてるからキャッシュ十分あるわけで、「じゃあ、借り入れを返したらいいんじゃないですか?」とか。

円道

あ~。

大久保

潤沢すぎるんだったらね。

円道

はいはい。

大久保

借金だからね。珍しく言うけど(笑)

円道

あえてね(笑)

大久保

いや、このレベルにくると「借金なんだから返したらいいんじゃないですか?」って(笑)

円道

(笑)

大久保

「おまえが借りろって言ったんだろ!」みたいな話になるんだろうけど(笑)。ただ、「もういいんじゃないですか」っていう話だったり、退職までたとえば30年あったとしたって、30年後の話だってすればいいじゃない?

円道

うんうん。

大久保

「いくら欲しいですか?」とか、そのためにどんぐらい残すとか、そういうことも言えるし。

円道

たしかに。なるほど。

大久保

あとは、ほんとに事業投資のお金がないんだったら、なんていうかな、不労所得みたいなのをやるってこともあるんじゃない?不動産とか。

円道

ふーん。

大久保

ちょっとね、リスクももちろんあるけど、「本業が悪くなったときに助けてくれて」みたいな、いいときに買っといたやつが。まあ、それ、マイナスになる可能性もあるからね、ちょっと慎重にというところではあるけど、事業投資がないんだったら、そういうので投資。だって、通常、日本でなかなか運用してもそんなに回んないわけだから。でも、そこを詰めていくなかで「どうしたい」って出てくんじゃないかな、みたいな。たぶん、社長自体が気づいてないんだよね、基本的に。特に調子がいいと。

円道

あ~。

大久保

「イケてんだからいいだろ」みたいな、「儲かってんだからいいだろ」みたいな感じ、あるじゃん?

円道

はいはいはい。

大久保

そうすると、「なんでやってるか」には向き合わないかもなと思うけど。だから、話をほぐしていくことによって、だんだん「あれ?なんでやってんだっけ?」とか、「じゃあどうべきか」みたいな。

円道

結構、じゃあ、踏み込んでいかなきゃいけないですかね。

大久保

そう。結構あるよ、お客さんでも。急に「これ、やっぱやろうかな」みたいな。「社長こういうのやります?」みたいな、「なんでやるんでしたっけ?」みたいな、「いや、儲かると思うんで」って。

円道

よく大久保先生あれですよね、現場で「なんでやるんでしたっけ?」ってよく聞きますよね。「なんででしたっけ?」みたいなやつ。

大久保

俺は俺が納得しないかぎりは応援できないから。リスクあるしね。

円道

あ~。なるほどね。いやいや、このへんはいいっすね。この話を踏まえて、もうちょっと具体的にもし踏み込めたら、そのときのまた質問をいただいても面白そうだなと思いましたけども、ちょうど、32歳、税理士、実務のほうができるようになって、このへんの悩みって出てくるんですね。

大久保

いやぁ、いいね。がんばってほしいね。

円道

というわけで……

大久保

パラキャリのご応募待ってます(笑)

円道

いやいや、ちがうちがう。募集すな(笑)

大久保

(笑)

円道

というわけで、今日のとこは終わりたいと思います。

大久保

はーい。

円道

大久保先生、ありがとうございましたー。

大久保

ありがとうございまーす。

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