このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/AIソロプレナーが映す、大手のこれから
「LINEヤフー」の川邊健太郎会長が、2026年6月開催予定の定時株主総会後に任期満了で「退任する予定」です。会社発表では代表取締役会長としての退任が示されていますが、その後に注目が集まるのは、川邊氏が人間の従業員を増やすのではなく、“AIエージェントを活用”して事業を動かす、いわば「AIソロプレナー」的な起業に向かうとされている点です。
大企業では長らく、「成長とは“人を増やすこと”」でした。
“部署をつくり、役職を置き、会議体を整え、稟議ルートを増やす”
気づけば、仕事そのものより「仕事を動かすための仕事」が立派に育っていきます。
“本編よりも分厚い参考資料、会議のための事前会議、「念のため」が積み重なった添付ファイル”
こうしたものは、まさに大組織に存在する“仕事を動かすための仕事”かもしれません。
ですが、AIエージェントが実務の一部を担えるようになると、経営やマネジメントの焦点は変わります。
必要なのは、「たくさんの人を抱える力」だけではなく、“AIに何を任せ、どこで人間が判断し、どんな価値を守るかを設計する力”です。
もちろん、「人間ゼロが理想」という話ではありません。
“信頼をつくる、空気を読む、責任を引き受ける”
このあたりは、まだ人間の仕事です。ただし、AI時代の大企業に問われるのは、「AIで“今の業務を少し速くする”だけでよいのか?」ということです。
川邊氏の「AIソロプレナーへの挑戦」は、一人の起業でありながら、大組織への問いにも見えます。
“会社は大きいほど強いのか?”
それとも、
余計な複雑さを減らし、少人数でも大きな価値を出せる形に変われるのか。
これからの大手の作法は、「人を増やす前に、仕事の形を疑うこと」なのかもしれませんね。


















