ネットの履歴書
第17回『丸山議員と前澤社長』

株式会社ソルナが開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第17回『丸山議員と前澤社長』

 

安田

北方領土で問題を起こした議員がいるじゃないですか。

三澤

丸山議員。

安田

はい。「島を取り戻したかったら、戦争するしかない」みたいなこと言って。

三澤

維新の会を追い出されてましたよね。

安田

追い出されました。それで糾弾決議も受けて「国会議員も辞めろ」って言われてるんですけど、本人は「絶対辞めない」と。

三澤

もうダメじゃないですか。あそこまで行ったら。

安田

世間的にも大バッシングなのに、ツイッターを使って反撃してるんですよ。

三澤

そうなんですか?

安田

はい。「言論の自由が損なわれる」「だから辞めるわけにはいかない」みたいな。

三澤

すごい強気ですね。

安田

はい。でも結局、引きこもっちゃいました。北方領土で「女を買いに行かせろ」とか駄々こねてたのがバレちゃって。

三澤

かなり恥ずかしいですね。

安田

彼は完全にツイッターの使い方を失敗しましたね。

三澤

言論の自由って言われると、そりゃそうだなとは思うんですけど。

安田

あれは完全に理論のすり替えですよ。Twitter見てる人も絶対そう思ってます。

三澤

そうでしょうね。

安田

でもTwitterでの反論って成功することもあるじゃないですか。NGTの山口さんは見事に世間を味方にしました。

三澤

使い方次第ですね。そもそも丸山さんは大義もないし、立場もぜんぜん違います。

安田

まあ確かに。アイドルと国会議員ですからね。

三澤

どういう立場の、どういう影響力をもってる人が言うかによって、発言ってぜんぜん変わってきますから。

安田

ですよね。あれは国会議員がするべき反論ではなかった。

三澤

発信力とか影響力がぜんぜん違うので。一般市民が言う「言論の自由」と同じような意味合いで使っていいのかな?とは思いますね、やっぱり。

安田

でも基本的に知名度はあるし、つぶやいたら拡散されるんで、使いようによっては世間を味方にできたわけじゃないですか。

三澤

そうですね。

安田

個人の発信力で世の中を味方につける人と、つけられない人、何が違うんですか?

三澤

以前もお話したゾゾの前澤さん、彼はツイッターの使い方がすごく上手です。

安田

何が優れてるんですか?彼は。

三澤

たとえば前澤さんってアンチも多くて、ずっと、しつこいのが20人ぐらいいるんですけど。

安田

いますよね。何言っても文句つけてくる人。

三澤

彼はそういう人にも、表面上だけじゃなく「すごいありがたい」っていう接し方をする。

安田

何がありがたいんですかね。

三澤

「気づきを与えてくれる」って言ってましたね。

安田

さすがにそれは、ちょっと嘘っぽくないですか。

三澤

そこがあの人のリテラシーの高さ。コメントの出し方が嫌らしくない。

安田

どんなコメントなんですか。

三澤

「アンチの人ばっかり集めたファンクラブをつくろうか」みたいな。

安田

なんと!ホントにやったら驚きですね。

三澤

「ある意味ファンなわけだから」と。だから「そういった人だけのファンクラブつくったらイノベーションじゃん」とかって言ってました。

安田

恐ろしく強いですね、ハートが。

三澤

強いのもあるんですけど、結局、そこの処理の仕方って爆弾処理と一緒なんですよ。

安田

処理の仕方を間違えると大爆発すると。

三澤

とくに前澤さんは上場企業の経営者なので。

安田

爆発したら株価も暴落しますもんね。

三澤

だから自分の置かれてる立場とか、これだけの社員を引き連れてることとか、ちゃんと考えてコメントしてる。

安田

なるほど。

三澤

だからアンチも「ありがとうね。君の存在も必要だよ」って認めてあげる。「なんだったら君の居場所もつくろうか?そこでもっと意見くれよ」ぐらいの懐の深さ。

安田

じゃあ丸山議員の場合は「自分の不徳のいたすところでした」みたいな、そういう“へりくだり”が必要だったんですかね。

三澤

謝るというよりは、ちゃんと人を受け止める器が必要。表面上で謝罪しても収まる話じゃないと思うんですよ。

安田

確かに。その点、前澤さんは上手ですよね。いきなり時給を1,300円にして2,000人のバイトを一瞬で集めちゃった。求人費ゼロですよ。

三澤

あれも「もっと社員に還元しろ!」みたいな批判を逆手にとってるわけです。

安田

すごいですよね。昔はユーザーに暴言吐いてたのに。「お前なんか客じゃない!」みたいに言って叩かれてました。

三澤

あれで学習したんでしょうね。その修正能力が彼のすごいところ。

安田

でも修正せずに、そのまま成功する人もいるじゃないですか。堀江さんとか。いまでも「ボケ!」とか言いながらファンがいる。

三澤

まあそうですけど。堀江さんはテストの点で言ったら80点ぐらいじゃないですかね。

安田

やっぱり前澤さんの方が上だと。

三澤

前澤さんのほうが、その後の展開をちゃんとロジックで組み立ててる感じがします。

安田

やっぱ「アンチの意見にどう答えるか」って重要なんですね。単なる「ボケ!」ではいけない。

三澤

そうですね。無視してもだめだし。

安田

丸山さんなんて、自分が言いたいことを言ってるだけで、外部の意見とかは一切スルーですから。あのへんが、ダメなんでしょうね。

三澤

そうです。だって、外部の方が丸山さんを見て「おまえは、こうだ、ああだ」って言うのも、ある意味正解じゃないですか。

安田

ですよね。それを受け入れるしかない。

三澤

その人のサングラスで丸山さん見たら、そういうふうに見えてるってこと。丸山さんも自分の価値観のサングラスをして反論してるだけ。

安田

単なる平行線ですよね。

三澤

どっちも正解どうしだから、ケンカしたって一生かかっても決着つかない。

安田

前澤さんにはサングラスはないんですか?

三澤

前澤さんは「おまえ、いいサングラスしてるな。そのサングラスもある意味正解だよね」と。

安田

なるほど。相手のサングラスを肯定してあげるわけですね。

三澤

「そのサングラスかけてるやつ20人集めてファンクラブつくったら、もっと面白い気づきあるんじゃないの」っていう。

安田

きっと彼は国会議員に立候補したら、すぐに当選するでしょうね。

三澤

そう思います。まあ立候補しないでしょうけど。

安田

これからの選挙って、選挙カーに乗って喋るより、ツイッターをうまく使ったほうがいいかもしれないですね。

三澤

これからの時代は英・数・理っていう勉強の頭より、社会学というか、情報社会を生き抜いていく頭がすごく大事。

・・・次回へ続く・・・

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