vol.124【『下絵:冷静と情熱』自分の特徴を磨く情報収集力|半導体業界の先読みが得意なSさんの青い龍の意味】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『「下絵:冷静と情熱」自分の特徴を磨く情報収集力|半導体業界の先読みが得意なSさんの青い龍の意味』

 

今の時代、仕事で必要とされる能力の一つに、情報収集力が上げられます。必要な情報を選び出すのは、日常業務はもちろん、就職、昇進、または転職‥‥。仕事のさまざまな節目に欠かせないと言われています。

実は、最も大切な情報収集の一つは、自分に対しての情報収集です。

自分の特徴にあった情報。自分にとって価値のある情報とは何か?一つひとつ考えながら、情報を集め、取捨選択していく。そうすることで、自分なりの見識や世界観を、築くことができるようになります。単なる情報分析は、これからAIが人間よりも遥かに適切に速く処理するようになるでしょう。

しかし、その人固有の見識、世界観は、まだまだ、科学的な数字に置き換えることが困難であり、今の時代、価値が再注目されてきています。近年、『世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術 』(水野学、山口周著)が仕事術の本としてたくさんのビジネスパースンに支持されました。

先月、vol.120にて、自分の特徴を知るには、【自分の客観視】が必要で、「自分と他の人は、ここが違うのだ」という自覚が、大切だというお話をしました。

情報収集でも、客観視、はとても大切です。情報数収集能力とは、必要な情報に素早くアクセスし、良質な情報を得る力です。

情報収集が習慣化していて、常に疑問を持ちながら答えを求め、情報源を複数持って活用し、取捨選択に至るには、《自分の見識、世界観を常に感じながら、さまざまなものに触れて更新していくことを求め、自分の軸に従って取捨選択している自分自身を客観視する》ことが極めて重要です。

【対話できる絵画】という特殊なオーダー絵画は、その人の特徴を絵に表現していくので、自然に自分自身の客観視につながる、と、よく言われます。
自分では言葉にできなかった毎日眺めたい色やテーマが、オーダー絵画のためのセッションの中で、門間と一緒にイメージを一歩一歩選び出す中で、自然に絵というカタチになって客観的に現れてきます。その間に、色々な自分の特徴に気がついていくというのです。

オーダー絵画のためのセッションで、自由にのびのびと話していただくため全ての内容絵が必要だとは限りません。しかし、心のうちから発せられるものは、身振りや目の輝きなども含めて、一定の方向性をさし示していて、貴重なヒントになります。

vol.120でお話ししたように、Sさんだけの8角形の絵の特徴は、創造性や自由への強い憧れがありました。

父の引いた人生のレールから飛び出して、自分で働いて留学をした体験、その時の南国の海や空の美しさ、研究の楽しさなどが、溢れ出てきたのです。

そして、丸い形を手で作って「こんな感じの青龍がほしい。」という言葉が飛び出しました。Sさんの頭の中に円を描く龍が浮かんでいるのが伝わりました。しかし、どんな青色かは言葉にも身振りにもなりませんでした。

こういう時は、聞き出そうとはしません。絵のイメージの色がはっきり浮かぶときは、聞かなくても、言葉や身振りで熱意を込めて伝えようとするものです。

セッションの後に、アトリエに戻り、静かにSさんの話を振り返りながら、青龍の色をさまざまに思い浮かべました。
溢れ出る言葉の中で、青色を強く感じさせたのは、南国の海と空でした。ほしい色は、熱意を込めて語るイメージに潜んでいます。南国の海、澄んだマリンブルーに手がかりがあるに違いない、と感じました。しかし、マリンブルーといっても幅広い色のグラデーションがあります。そこで、色の違いがはっきりわかる3枚の絵に分解して描くことにしました。Sさんが、「この色に近い」と指させるようにしたのです。

そして、次のセッションで、3枚の絵を並べると、Sさんは一瞬で「この青色」と深い青色からふんわりと色が移り変わるグラデーションを指さしました。「こういう深みのある、でも、澄んだ色のグラデーションの青い龍がいい。そして、希望を感じる黄色がうっすらと入っていてほしい」

Sさんが、自分だけの青いグラデーションの龍を選び出した、第一歩でした。

ふんわりと広がる青いグラデーションから、ハキハキと竹を割ったように早口で話す一見豪快なSさんのうちに秘めた繊細な感性が伝わってきました。

ここに、画像にあるように7つの星を抱く青龍が現れてくるのですが、
それはまた別の物語です。

今回完成した作品 ≫『下絵:冷静と情熱』

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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