この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
久野
安田
そうなんです。1000円でも元が取れないぐらいなのに、値上げができない。
久野
海外に行くと、もう2000円とか、下手したら3000円とかが当たり前なんですけどね。
安田
日本では「安い国民食」みたいになっていて。日高屋とか安いラーメンを出してるじゃないですか。個人店のラーメンとは別物だと思うんですけど。
久野
安田
回転寿司と高級寿司が棲み分けているように、ラーメンにも高級路線があってもいいと思うんですけど。
久野
安田
だけどそういう記事を書くとめっちゃ叩かれるんです。
久野
安田
「勝手なこと言うな」って叩かれるみたいです。「ラーメンは安くて美味しいものだ」「今の価格を維持してほしい」って勝手なこと言うんです。
久野
もう1000円以下は無理ですよ。私たちは大手のラーメンチェーンとも付き合ってるんですけど。とんでもなくオートメーションになってます。
安田
久野
個人のラーメン屋って、仕込みに7時間8時間かけてやってるわけじゃないですか。これを同じ値段にしたらやばいことになりますよ。本当に。
安田
久野
そうなんです。人件費がとにかく高くなっているので。しかも材料費もめちゃくちゃ上がってる。
安田
「高くても美味しいラーメンが食べたい」って人もいるじゃないですか。サッカーの本田圭佑さんが「2000円払ってでも食べたい」「応援したい」って書き込んで。
久野
安田
はい。あの本田さんでさえ叩かれるわけです。「あなたはお金持ちだからいいですね」って。自分が安く食べたいなら日高屋で食べりゃいいのに。
久野
お金のことを言う人に限って、あんまり義理人情ないじゃないですか。
安田
おっしゃる通り。そんなに好きなら高めに払ってあげればいいのに。
久野
ファンがついている店はどんどん値上げした方がいいと思います。
安田
ですよね。実際に人数を抑えてコースで出す「ゆったり1時間半」「予約OK」というラーメン屋があるらしいです。料金は3500円。
久野
予約ができて、ゆったりコースで食べられるなら、ぜんぜん払いますよ。列に並ぶコストを考えたら安いですよ。
安田
きちんと接客してくれて、通常のラーメン店では味わえないようなメニューが用意されていて。個人店はそっちに行かないともう生き残れない気がします。
久野
個人店で1000円以下のところはホントにやばいと思います。普通に考えたら。
安田
最低でも1500円ぐらいに設定しないと。最低賃金もどんどん上がっていくし。円安で材料費も上がっていくし。
久野
安田
1000円にして、1050円にして、1100円にして、みたいなことをやるよりも、一気に1500円とか2500円に上げた方がいいですよね。
久野
はい。お客さんをちゃんと絞って、商品力やサービス力を磨く方が絶対いいと思う。
安田
正直に言って、1100円とか1200円だったら、ただ値上げしただけで何にも変わらないと思うんですよ。
久野
安田
それよりは一気に値上げして、「今までとは違うサービスや商品」を提供した方が長続きすると思うんですけど。
久野
間違いないですね。そもそもラーメン屋さんは我慢し過ぎですよ。毎日毎日、休む暇もなく仕込みをして、ラーメンを出し続けて。
安田
久野
全体の3%ぐらいが高級店になって、ほとんどは今のまま何も変えずに1年、2年経ってしまうケースの方が多いと思います。
安田
値上げしないと人も雇えないですよ。家族経営で頑張るんでしょうか。
久野
家族で頑張ってる店って意外と潰れちゃったりするんです。
安田
久野
安田
久野
行列ができる店は絶対に値上げした方がいいと思う。本当に食べたい人が食べれなくなっちゃいますもん。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。