第393回 円安と日本の未来について

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第393回「円安と日本の未来について」


安田

この40年で円の価値が半分になっておりまして。

久野

はい。2020年に567兆円だったGDPが652兆円まで増えてるんですけど、為替を考えると逆に下がってるんですよ。

安田

なんと!下がってるんですか?

久野

567兆円を106円で割ると5.3兆ドルで、652兆円を151円で割ると4.3兆ドル。実はドルで見ると日本経済はダウンしています。

安田

円建ての発表だと騙されてしまいますね。実は下がってたんですか。

久野

ドルで見ると下がってます。

安田

日本は海外からいろんなものを輸入しないと生きていけない国ですから。ドルで考える方が妥当ですよね。

久野

はい。資源がない国は厳しいです。安全保障の問題も厳しいし。

安田

海産資源は豊富ですけどね。日本は。

久野

いやいや。円が弱くなると、高く売れる海産資源はどんどん海外に流れていきます。

安田

確かに。ウニなんてもう高くて食べられません。

久野

ウニはみんな中国に行っちゃって。最近はノルウェーのサーモンも買えなくなってる。

安田

え〜!ノルウェーのサーモンなんて日本が育てたみたいなものなのに。

久野

国産の美味しい豚肉もどんどん中国に流れていって。地球の裏側からめちゃくちゃ安い豚肉が送られてきてます。

安田

自分たちが作った高級品は全部海外に買われちゃって。

久野

車もそうじゃないですか。今は大半が海外に送られていて。日本人は1年後まで買えないですもん。

安田

そうなんですか。

久野

はい。ディーラーに行くと平気で「1年後です」って言われます。トヨタの販売台数を見ていると新車がないわけないんですけど。

安田

国内の貧乏人にはもう売りたくないと。

久野

企業はより高く買ってくれるところに売りたい。はっきりしていますよ。

安田

飲食店もどんどんインバウンドに寄せていますし。外国人は高くても喜んで食べてくれるから。

久野

でも円安は本当に深刻ですよ。円安が続く限り際限なくインフレも続くので。

安田

資源がある国は強いですよね。ロシアがあれだけ戦争を続けられるのも資源があるからで。

久野

エネルギーは買わないわけにはいかないから。「ロシアからは買わない」と言ってましたけどみんな別ルートで買ってるわけです。

安田

石油を輸入しないと生活も事業も成り立たない国ですからね、日本は。

久野

はい。日本は本当に厳しいです。

安田

円を強くする方法ってあるんですか?

久野

世界で戦える会社を作らない限り厳しいです。今はマイクロソフトやGoogleに日本の全企業がお金を払っているわけですから。

安田

高市さんは「儲かる会社をどんどん増やしていく」と言ってますよ。

久野

今までと何も変えずに、そういう会社が生み出せると思っていることに違和感があります。

安田

何を変えるべきですか?

久野

まずは労働法制を見直さないと。何も変えずに世界で勝とうって無理ですよ。例えば中国の深圳は最初からそういう気概で作られてます。人口が少ないうちから片側5車線の道路を作ったり。

安田

日本でそんなことやったら叩かれるんでしょうね。残業規制を見直すだけで大変ですよ。

久野

高度成長期のようには戻せないですけど、まずは経済特区みたいなものを作って。

安田

経済特区なんてすぐに作れそうですけど。

久野

その覚悟が日本人にも政権にもないんでしょう。もっと貧乏にならないと立ち上がらないんですよ。日本人は。

安田

今でも貧乏ですけど。日本人は我慢しちゃうから。

久野

我慢はもう限界でしょ。他の国なら革命ぐらい起きてますよ。子供の貧困も増えていて。こんなのでいいわけない。

安田

おっしゃる通りですけど。果たして日本人は立ち上がるのか。

久野

立ち上がる形にしていきましょう。

安田

そのためには1人1人がやる気にならないと無理ですね。

久野

消費税1%にしたぐらいじゃ絶対に無理です。

この対談の他の記事を見る



久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

感想・著者への質問はこちらから