住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。
第39回 「オリジナリティのある家」が贅沢品になる時代
そうなんですよ。それが不思議だなぁと思っていて。パッケージ化された、つまり大量生産の家を売っているのに、中小が販売するオリジナリティ性の高い家よりも高いですよね。それはなぜなんでしょう?
なかなか難しい質問ですが、一つの要素として「信頼感」というのはあると思います。住宅のように高額の買い物の場合、お客さんは絶対に失敗したくない。だから名前を知っててテレビCMもやっている大手を選びたい。そういう層は多いと思いますね。
実際、そちらの方が安いですからね。規格化されているので品質も安定してますし。提供する側にとっても、注文住宅と比べるとコミュニケーションコストが全然違いますよね。
仰るとおりです。同じ規格で資材を大量に仕入れて、バンバン建てて売るわけですからね。品質に関する国の基準が厳しくなったことで、性能がどんどん上がっているんです。だからこれからさらに伸びていくと思います。
なるほど。でもそれって見方を変えると、日本全国民がプリウスに乗ってるような感じですよね。安くて燃費もいいし壊れないんだけど、どこへ行っても皆同じっていう。
ああ、いいですね! つまりベースとなる家は安く買って、そこから時間をかけて自分好みの家を作り込んでいくわけだ。確かにニーズがありそうです。……でも、そういう流れが盛り上がっていけばなおさら、大手一強の時代になりそうですね。
ああ、やっぱりそうですよね。小さい会社が生き残るには、どんどん吸収合併して大きくなっていくか、価格が高くても付加価値のある商品を売っていくかしかないですから。
ただそうやって単価が上がっていくと、「私だけのオリジナルの家」にはごく一部の人しか住めなくなって、ますます日本全国どこに行っても似たような家が増えていくことになりそうですね。
対談している二人
渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役
1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。