どんな会社に就職すればいいのか。
どういう事業が儲かるのか。
どうやったら仕事が出来るようになるのか。
どうやったら売上が上がるのか。
この類の質問をする人は、
永遠にその答えを手にすることは出来ないだろう。
何故なら質問すべき内容を間違えているから。
もちろん、こういう質問に丁寧に答えてくれる人も、
世の中にはたくさんいる。
だが残念ながらその人達も同類である。
何故なら答える内容を間違えているから。
この類の質問に対する正しい答えはひとつだけだ。
「自分で考えろ」それしか言いようがない。
何故ならそこには正解が無いからである。
ひとつの質問にはひとつの答えしかない。
その答えを知ることが成功への近道である。
そう信じ込んでいる人がこの国には多すぎる。
何年に何が起きたのか。
その年号を暗記しておけば、
歴史の試験の点数は稼げるだろう。
だが歴史を学んだことにはならない。
何故それは起きたのか。
どうやったらそれを防ぐことが出来たのか。
どうやったらそれを再現することが出来るのか。
考える力を養うこと。
それが歴史を学ぶということである。
重要なのは何年に何が起きたのか、
という「点」ではない。
どういうプロセスでそこに行き着いたのか、
という「線」だ。
ここを理解している人は、
決して正解を求めるような質問はしない。
彼らが欲しているのは、正解ではなくヒントだから。
何をきっかけに、どういう思考のプロセスで、
そこにたどり着いたのか。
それをヒントに自分の思考を組み立て直し、
自分だけの答えを探し出す。
仕事も、会社も、事業も、人生も、全ては線である。
常に変化し、伸び続けている線。
その線を、どちらに伸ばして行くのか。
どうやって目の前の山や谷を超えるのか。
それを自分の頭で考える。
答えは常に求められる。
だがそこには正解はない。
ただひとつの正解と言えるのは、
答えを考え続けるという行為そのもの。
自分の頭で考えなくても、線は勝手に伸びて行く。
だがそうなってしまったら、
もはやコントロールは不可能だ。
自分の人生も、自分の仕事も、自分の会社も、
自分ではコントロール出来ない。
人生には成功などという単純な「点」は存在しない。
あるのは、自分で考え選んだ人生と、
考えることを放棄して選ばされた人生だけ。
決して正解を人に尋ねてはならない。
それは成功への近道ではなく、
人生放棄の始まりなのである。
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