社員だからといって、自分のことだけを
考えていればいいというものではない。
与えられた仕事はきちんとこなしつつ、
会社全体のことを考える視点を持つべきだ。
どうやったらこの会社はもっと伸びるのか。
どうやったら社員一人ひとりの
生産性はアップするのか。
そこに足りないのは商品か。
売り方の工夫か。
あるいはブランド力か。
経営者視点で考え行動してくれる社員は
とてもありがたい存在だ。
それゆえ経営者は常にこう言う。
自分の仕事だけを考えるな。
全体視野を持てと。
翻って考えてみてほしい。
経営者であるあなたは全体視野を持っているだろうか。
「もちろん持っている」と答えるだろう。
常に会社全体のことを考えている。
それが社長の責任であり仕事なのだから当然だと。
残念ながらその視野は社員のそれと同じである。
社長が会社全体のことを考えるのは、
社員が自分のことを考えているのと何も変わらない。
社員に全体視野を求めるのなら、
社長は自らも全体視野を持たなくてはならない。
それはすなわち日本株式会社の
生産性アップを本気で考えるということである。
そんな暇はない。
自社のことで精一杯だ。
そう答える経営者には社員を責める資格はない。
自分のことしか考えていないのは同じだからである。
一人ひとりの社員が会社全体のことを考えて
行動すべきであるのと同様、
一人ひとりの社長は日本全体のことを考えて
行動するべきなのである。
では社長に問う。
日本株式会社の生産性を高めるには
どうしたらいいのか。
それを真剣に考えてみてほしい。
日本という大きな会社には
1億人以上の労働者がいる。
高齢者はどんどん増えており、
まだ働けない小さな子供もいる。
車をつくる仕事、電車を動かす仕事、
美味しいご飯を作る仕事、治安を守る仕事、
子供達を教える仕事など、
たくさんの事業を行なっている。
その生産性はどんどん低くなっている。
原因は何なのか。
どうやったら生産性は上がるのか。
最低賃金を上げればいいのか。
残業を規制して休みを増やせばいいのか。
マクロな目で日本株式会社を眺めたとき、
私はいつもひとつの仮説に行き着く。
それは適材適所。
一人ひとりの人間が好きなことや
得意なことを仕事にする。
これ以上の生産性向上などあるのだろうか。
やりたくないこと、不得意なこと、
ストレスが溜まること。
それを我慢しながら報酬のために働く。
これで生産性が良くなる方が不思議である。
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