離婚と退職の関係

離婚する夫婦としない夫婦。その最大の違いは何だろう。仲がいいかどうか。愛し合っているかどうか。相性がいいかどうか。もちろんそれらは重要な要素である。だが最大のポイントはお互いの努力だろう。

何もしなければ夫婦は必ず破綻する。破綻しないためにはお互いの努力が不可欠だ。こう考える夫婦だけが離婚を回避できるのである。そんな努力はしていないがウチには離婚の危機なんてなかった。そういう夫婦の中には奇跡的な相性の良さと仲の良さで成り立つ夫婦もあるだろう。

だがその99%はどちらかの我慢によって成り立っている。ただ本人がその事実に気がついていないだけ。熟年離婚で驚くのはまさにこのタイプだ。「なぜ突然、別れたいなんて言い出すんだ?」「私はもう何十年も前から、ずっと別れたかったんです」「なぜ、早く言ってくれなかったんだ!」「ずっと言ってます。あなたが聞く耳を持たないだけ」これが熟年離婚のパターンである。

すべての夫婦は離婚する。その前提で努力し続けた夫婦だけが関係を維持できるのである。会社と社員の関係もこれとまったく同じ。「最近の若い社員はすぐに辞める」などと呑気なことを言っている経営者もいるが、すべての社員は3〜5年で辞める。それが現実なのである。

定着などというものは幻想だ。今はまだ辞めていないだけ。「すでに辞めた社員とまだ辞めていない社員」この2種類しか存在しないと知るべきだ。いい転職先がまだ見つかっていないだけ。まだ我慢の限界に達していないだけ。辞めない社員は一瞬で辞める社員へと変わってしまう。

辞められたら困る。その思うのなら手を打たなくてはならない。辞めることを前提に新たな人をどんどん採用するのか。辞めることを前提に省人化していくのか。辞めることを前提に辞められない努力を続けるのか。選択肢はこの3つしかない。そして現実的に考えれば辞められない努力をする以外に方法はないのである。

辞めた社員に理由を求めてはならない。根性がないとか、適性がなかったとか、辞めぐせがついているとか。そんなことはどうでもいいのである。会社に何が足りなかったのか。どうすれば辞められずに済んだのか。ここを徹底的に考えなくてはならない。「辞めたい」と社員が言ってきたらもう手遅れ。「辞めたい」と言われる前に全力で辞められない努力をする。これしかないのである。

 

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