答えがない仕事

「これ、出来ますか?」「はい、お受けできます」という会話から発生する仕事は報酬が安い。「私ならこんなことが出来ます」「だったら、ぜひお願いしたいです」という会話から発生する仕事は報酬が高い。同じ仕事をしているにも関わらず、その報酬には2〜10倍の差がある。なぜこんな差がついてしまうのか。これが理解できないと儲かるビジネスを組み立てることはできない。

マーケットですでに価格がついている商品。例えばエアコンやトイレットペーパー。これは大量販売しないと儲からない。なぜならこちらには価格決定権がないから。同じ商品を高く売ろうとすると顧客は一斉に離れてしまう。まだマーケットに出ていない商品、まだ価格が決まっていない商品。これは価格決定権がある商品。こちらが価格を決められるので売れれば儲かる。

相手が欲しいものを売る。一見それは正しいビジネスに見える。だが現実はどうだろう。暑いからエアコンが欲しい。トイレットペーパーがなくなったから買いたい。ニーズが明確な商品はネットや店舗で比較される。同じ商品を買うなら安い方がいい。買ってもらうためには他社より安く売らなくてはならない。利益が薄くなる。大量に仕入れて大量に販売しないと儲からなくなる。

相手がまだ欲しくないものを売る。これが小さな会社の売るべき商品である。頭の中にまだ具体的なイメージはないけれど、見たら欲しくなってしまう商品。それは売る側に価格決定権がある商品であり、大量販売しなくても儲かる商品である。では相手はなぜその商品が欲しくなるのか。それは自分が抱える課題や悩みを解決してくれそうな商品だから。つまりそこに答えがあるから。

仕事とは誰かの課題や悩みを解決することに他ならない。儲かるかどうかは、その解決策をどちらが持っているかで決まる。課題を解決するために何が必要なのか。暑いならエアコン。お尻を拭くならトイレットパーパー。相手がすでに答えを持っている商品は儲からない。なぜなら答えに合わせて多くの会社がすでに大量の商品を作っているから。

儲けたいならまだ答えを得ていないニーズを満たすこと。「こんなことで困っていませんか?」「私はこんな解決策を持っています」と顧客の課題を新たな視点で解決してあげる。まだ眠っている潜在ニーズを掘り起こすのだ。ただし掘りすぎてはいけない。答えを提示されてもピンと来ない商品は売れない。

 

 

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