人を増やすのか増やさないのか。顧客を絞り込むのか絞り込まないのか。価格を上げるのか上げないのか。この三つの質問にどう答えるかで次の一手が決まる。人をどんどん増やし、顧客を絞り込まず、価格をできるだけ据え置き、業界トップレベルになるまで規模を拡大し続ける。これが第一の選択肢。
必要最低限の人しか雇わず、顧客を徹底的に絞り込むことで、可能な限り価格をアップしていく。これが第二の選択肢。とことん規模を拡大するのか。とことん一人当たりの収益を高めるのか。どちらかに舵を切らない限り、利益不足→報酬不足→人不足というスパイラルから抜け出ることはできない。
拡大路線で行くのであれば資金力が決め手となる。オンリーワン路線で行くのであれば商品開発力が決め手となる。いずれにしても経営者は次の一手を決めなくてはならない。求人と集客に徹底的に資金を注ぎ込むのか。あるいは顧客を絞り込んで新たな付加価値商材を生み出すのか。
拡大するなら資金調達と企業買収は避けて通れない。どんどん資金を集め、どんどん組織を拡大し、何がなんでも業界トップに上り詰める。トップになることでブランド力が高まり、集客パフォーマンスが上がり、スケールメリットによって利益が拡大する。報酬アップが可能となり採用力もアップする。
拡大しないなら徹底的に組織をスリム化する。付加価値を生み出す人以外は雇用から外す。外注できる仕事は全て外注する。絞り込んだ人材で新たな付加価値商材を作り出し、絞り込んだ顧客に向け情報発信する。売上よりも一人当たりの収益を優先し報酬アップを実現する。採用力と定着率がアップする。
どちらが良い悪いという話ではない。どちらかに決めないと生き残れないということ。現実問題として中小企業の99%は絞り込みと一人当たりの収益拡大を目指さざるを得ないだろう。なぜなら拡大路線で生き残れる企業数には限界があるから。オンリーワン路線で生き残る企業数には上限がないから。
拡大しないのであればやるべきことは明白である。仕事をこなすだけの人を増やさないこと。徹底的に顧客を絞り込むこと。絞り込んだ顧客に響く新たな付加価値商材を生み出すこと。可能な限り高い価格で販売すること。重要なのは売上ではなく一人当たりの収益。最小人数で最大の利益を生み出す。
尚、同日配信のメールマガジンでは、コラムと同じテーマで、より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」と、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。全て無料でご覧いただけます。
※今すぐ続きを読みたい方は、メールアドレスとコラムタイトルをお送りください。
宛先:info●brand-farmers.jp (●を@にご変更ください。)