赤い出口、青い出口 第1回「気のいい番頭さんは『情報編集力』で生き残れ」

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

第1回 気のいい番頭さんは「情報編集力」で生き残れ

気のいい番頭さんは、経営者にとってはとても重要な存在です。
社内にもめごとが発生したときは、事情を把握し、先手を打って利害調整してくれます。
経営者は報告を受けるだけ。

新規事業を企画するときも、口頭で指示を出せば
経営者の意図を汲み取り、
調査・発注・スケジューリングを済ませ、さらに報告を怠りません。

気のいい番頭さんはブレーキ役にもなってくれます。
「社長、それでは社員がついてきません!」
「もう少し待ちませんか?準備が必要です。」

とても素晴らしいコンビネーション。
番頭さんが番頭さんであるゆえんは、社長と別の社内ネットワークを駆使して、
利害調整役として、業務を遂行することにあります。
長年社内で培ってきた経験が、重要な役割を担うようになっているのです。

ところが
時代は変わります。これからもっと変わっていきます。

もし、気のいい番頭さんが、肩書・社長とのリレーションで仕事をしているなら問題です。
もし、気のいい番頭さんの口癖が、「私は聞いていない!」とかなら問題です。

昔は経営陣と社員の情報流通の方法が限られていました。

現在は個人の情報ツールも進化して、個人的に社長と社員がSNSでつながったり、
他部署同士の交流は、就業時間もそれ以外もおこなわれています。
さらには、他社の情報も把握している状態です。
気のいい番頭さんの頭の上を、瞬時に情報が飛び交うのです。

番頭さんが社内根回しをする頃には、
何が起こるかみんな知っていて、いちいち応対するのに邪魔になってしまいます。
情報流通において、番頭さんを介する必要がないことが多く出てくるのです。

気のいい番頭さんが、経験をもとに頑張れば頑張るほど、
仕事のスピードは落ちていきます。
気のいい番頭さんのフィルターを通すと、
若手の社員はモチベーションを落とすことにも繋がります。

こんな状態では、社内情報の渋滞が起こってしまい、
若手は辞める、経営スピードは落ちる、と良いことがありません。
まさに「赤い出口」

では、気のいい番頭さんの「青い出口」はどこにあるのでしょう。
これまでのトップダウンの情報を伝えることから、
ボトムアップの情報編集に切り替えてみてはいかがでしょうか?

個人間の情報流通が盛んになると、スピードは上がります。
しかし、量が多すぎると経営判断ができません。

ここで、気のいい番頭さんの登場です。

社内の情報を整理し、編集、まとめて、経営の手助けにしてもらう。
こうすると、経験豊かな番頭さんは経営者の良き右腕になるはずです。

 


- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、
営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。
独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。

情報流通量の多少が、価値の大きさを決める時代となり、
「出口」の情報流通量を増やすことに重点を置いています。
これが「出口にこだわる」マーケティングの基となっています。

また、「出口にこだわる」実証として、
モロッコから美容オイルを商品化し、販売しています。
<https://aniajapan.com/>

商品の「出口」で情報が増えれば、ファンが増える。
「出口」に注力することで、新規マーケットの創造に力を発揮します。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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