人間交換日記 116通目「どのように知れるか?」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


116通目/大野からの返信
「どのように知れるか?」

耳が痛い。ただ人は違うだけなのに。よく考えてみると好きな事でも苦手な事でも、人によって才能開花の仕方は異なるという当たり前な事を忘れていました。僕が自分の信じているものに固執していたのです。二元論にあてはめる事ができないのが人生。誰かにできる事はあなたにだってできる。一つの要素ではあるけれど、そうでない事だって沢山ある。何故なら、人は同じ人間でもそれぞれが完全に違うからです。決して同じではない。比較しようがない。個的で個別の才覚の発揮の仕方がある。そうなってくるとどの様な生きる姿勢か?心の構えか?どんな人間か?それら三点はどのように知れるか?を見つめ続けていく事こそがその道なのかもしれません。

前回115通目/安田「器が小さくなる時」

大野さんへ

他人の器を尊重し大切にする。すると自分の器は磨かれ大きくなる。なるほど、これはとても奥深いアドバイスですね。私も日頃から気をつけるようにしています。こちらの価値観を押し付けないように。その人が本来持っているものを尊重するように。でもこれが難しい。ふと気がつけばこちらの価値観を押し付けてしまっている。相手の性格や好き嫌いなど関係ないと思ってしまう。とくに自分の方が年長でスキルも上だと自覚しているとき。自分の答えが絶対に正しいと確信しているとき。そういうときに人はエゴが出る。自分のエゴを正解だと勘違いして相手に押し付けてしまう。そうやって人の器はどんどん小さくなっていくのでしょう。

ー安田佳生より

 

前々回114通目/大野「無限大とも言えるし、ちっぽけとも言える」

安田さんへ

自分を大切にする。それが意味する所は、他の人にも当然ながら自分があるのだから、「他の人の自分」を大切にし、尊重するところまで含まれているという事です。もしも、それができなければ自分を大切にするってことができていないことになる。逆説ですが、誰も見ていない所できちんとお仕事ができれば、誰かが見ている所できちんとやるでしょう。同じように他の人の器を大切にできれば自ずと自分の器は磨かれ大きくなる。大我、小我とはよく言ったものです。エゴは捨てられない。でも質は変えられる。エゴが悪いわけでもない。誰にも同じものがある事を忘れなければ。だから器は無限大とも言えるし、ちっぽけとも言える。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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