どんなに良い商品でもあるだけでは売れない。
なぜならそれが良い商品であることが
分からないからである。
営業とは「ここにこんな素晴らしい商品が
ありますよ」と伝える仕事に他ならない。
聞いた相手が商品の良さを理解して「いいね!
ひとつ貰おうか」となればお互いハッピー。
売れる営業マンの出来上がりである。
しかし現実はこんなに簡単ではない。
まず営業マンの売る商品が良いものとは限らない。
魅力のない商品でも売らねばならないのが
営業マンの辛いところだ。
では良い商品なら簡単に売れるのか。
いや、そうとも限らない。
営業という仕事は奥が深いのである。
自社商品について「こんなに良い商品ですよ」と
ひたすら語る営業マン。
世間ではそれをデキない営業マンという。
営業しなければ商品の良さは伝わらない。
だが営業ばかりする営業マンは嫌われてしまう。
一体どうすればいいのか。
ここで注目すべきは売れる営業マンのやり方である。
彼らは顧客に営業されていると感じさせない。
だが最終的にはしっかりと商品の魅力を伝え
「欲しい」と言わせる技術を身につけている。
売れない営業マンとの違いはどこにあるのだろうか。
ダメな営業とは自社商品の話ばかりする営業だ。
「これはこういう商品で、こういう機能がついていて、
〇〇円です」という説明。彼らに共通しているのは
人間心理を考えることの欠如である。
人はどういうプロセスでその商品を
魅力的だと感じるのか。
どういうプロセスで欲しいという結論に達するのか。
その理解が欠けているのだ。
良い営業は聞き上手だと言われる所以がここにある。
彼らは相手の課題を聞き出すことから話をスタートする。
こういう課題や悩みがある。
こういうハードルがあって乗り越えられないでいる。
ではこのような解決策があれば嬉しくないですか?
という提案。実はその解決策が
この商品に盛り込まれていますという説明。
ここまでやって相手はようやく商品説明を聞いてくれる。
なぜなら顧客が知りたいのは商品説明ではなく、
悩みの解決方法だからである。
相手が置かれた状況、悩みの内容、
それを解決するための手段。
これは顧客によって違う。
違うものに対して同じ商品を売るのだから、
商品説明は顧客によって変えなくてはならない。
実はこれは商品開発にも通ずる話なのである。
顧客によって変化する営業トーク。
これが練り込まれた商品が売れる商品なのである。
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