【vol.205】HR領域の2022年のトレンド「人材分析」

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、2022年最初のテーマとして「HR領域の2022年のトレンド」を取り上げています。
シンガポールと香港で有名「らしい」HRのサイトから引っ張ってきました。

今回の記事はコレ

HR in 2022: 7 key trends that will affect employee experience (and how to address them)
従業員エクスペリエンスに影響を与える7つのキートレンド(2022年のHR)
https://www.humanresourcesonline.net/hr-in-2022-7-key-trends-that-will-affect-employee-experience-and-how-to-address-them

7つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: ‘New Work’ will manifest in new and unexpected ways
Trend #2: The talent war is quickly becoming a ‘zero-sum’ game
Trend #3: Employee mental health and resilience will propel growth
Trend #4: HR will become decentralised, spurring new management skills
Trend #5: Diversity & inclusion will be a major competitive differentiator
Trend #6: People analytics will fuel buy-in for HR policies and change
Trend #7: New productivity KPIs will be needed to assess employee performance

先週に引き続き、トレンドを読み込んでいきます。

Trend #6: People analytics will fuel buy-in for HR policies and change
人材分析が、HRポリシーとその変化を促進する

In 2022, organisations can no longer put off people analytics implementation. However, per a survey sites. HR’s confidence in their ability to use data and analytics has declined by 3 percentage points since 2019.

2022年、組織はもうこれ以上「人材分析の実装」を先延ばしにすることはできない。
しかしながら、調査によると、HR部門は「データの活用と分析」能力に自信が無く、2019年よりも3%ポイントも下がっている。

人材ビッグデータや社内の人事データを使った、定量的な「人の分析」をやらなければならないけれども、HR部門には「定量分析」が得意な人が実は少ない、ということがアジェンダになっているようですね。

なんか、わかる気がします(笑)

こうした流れの中で、HRが注力すべき3つのポイントが示されています。

1.Embrace a mindset shift from intuition to data-driven
intuition(直感)からデータドリブンへと、マインドセットのシフトを

慣習的に「直感的に」活動することが多いHR部門が、データドリブン思考へとマインドセットを変更する必要があるよ、ということですね。

2.Train HR teams in analytics, strategy, and value generation
HRチームを、分析・戦略・価値創出の観点でトレーニングする

60%のCEOは「HR部門は管理部門である」と認識しているけれど、CHRO(HR部門のトップ)の74%は「そうは思っていない(その考えに反対)」という調査があるようです。
要するに、HR部門は「管理部門」ではなく「価値創出部門」である、というマインドチェンジのためにもデータドリブン思考をチーム全体が身につける必要がある、ということでしょう。

3.Ensure that there is a culture of continuous listening
「継続的な傾聴」の文化があることをきちんと担保する

データで人材を分析するという「機械的な作業」の一方で、従業員に対する「傾聴」も担保しなければならないし、その姿勢をきちんと「表明」すべき、ということですね、きっと。

考えてみると、元々「生身の人間としての人材に興味がある」という理由でHR部門の仕事をしている人達に対して「人をデータで解析していかなければならない」という“時代の波“が押し寄せてきているわけです。

一部の人にとっては「人材は数値の羅列ではない!(怒)」という感情に苛まれると想像できます。
一方で、同時に「傾聴文化の醸成」も必要になってくるわけですから、「データ解析」と「傾聴」の2本柱を、それぞれの得意領域の人たちが役割分担できれば良いのかな、と思ったりします。

とはいえ、早晩「傾聴出来ているかどうか?」すら「定量化して数値で判断」する、というフェイズ突入しそうですけどwww

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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