第30回 わび和さび -社長峠のことわざ

この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。

本日のことわざ
「窮すれば通ず」

タカコ

【窮(きゅう)すれば通ず】本日のことわざは、困難だからといっても諦めることなく解決法を考えていると、道が開けるという意味。

ほひほひ

あきらめなければ、なんとかなる!ってことだな。

タカコ

あ~そういう話、最近講義できいたわ。ソフトバンク創業時のお話。

ほひほひ

ほう

タカコ

1981年の創業時、孫正義氏はミカン箱の上でアルバイト2人に向かって「100兆円企業にする」と言ったのは有名な話だよね。あきれて2人とも辞めちゃったってやつ。

ほひほひ

創業時からビジョンが明確でしたな☆

タカコ

あとさ、創業間もないソフトバンクが「すごいなあ」って思ったのが、大阪のイベントにブースを出展した話。じつは、自身の会社で一昨年大阪のイベントでブース出展してさ、100万使ってピーピー言ってったばかりだったから、余計にリアリティがあって。

ほひほひ

何が「すごい」って思ったのか?

タカコ

当時PCソフトの展示会では最大って言われていた大阪エレクトロニクスショーにソフトバンクは出展するのだけど、会場で一番大きなブースを借りるんだよ。資本金1000万円のうち、800万使って!

ほひほひ

やるな☆

タカコ

孫さんはいちばん高い金額を払って、いちばん目立つブースを借りたんだよ。で、すごいのがさその当時は取引先もなければ、展示する商品すらないのに・・ってとこなんだ!

ほひほひ

なかなかおもしろいことをするな☆ で、どうしたんだ?

タカコ

ブースをもっていないソフトウエア会社に、そのブースを無料で使わせてあげたんだ。

ほひほひ

ほほう

タカコ

当時の共同経営者は「そんなムダ金を使うなんて!」と驚き呆れたそうだよ。しかもイベントのカタログ制作に200万使ったので、資本金使い切ったみたい。

ほひほひ

あれま

タカコ

フツーで考えれば、あっという間に倒産!だと思うのだけど、後のハドソンソフト独占販売につなげた。こんなの序の口で、普通じゃとても考えられないようなことをいくつもいくつもやってのけて、今があるんだよね。

ほひほひ

色んな逸話あるもんな。総務省で「ここで灯油かぶって逝く」と言ったのとか有名。

タカコ

ああ、ADSLサービスを始めたときのエピソードか。ほんとにさ、窮地に立たされているような場面が多すぎ!4年間で1000億円の赤字を出しても生き残った。

ほひほひ

2002年からの4年間だね。当時の会社の時価総額からいくとホント奇跡☆

タカコ

ただラッキーだったという訳ではないと思うんだ、生き残って尚且つ成長を続けているのは! ソフトバンクは買収が【たまたま全て当たっただけ】とかいう輩もいるけど、違う。とてつもなく勉強して、とてつもなく考え抜いた結果だと思う。

ほひほひ

そらそーだ。

タカコ

孫さん自身20代で肝臓を患い入院をしていた時期があって、そのとき読んだ本の数、約4000冊だって!読書ひとつとっても普通じゃないよね。私も入退院を繰り返している今、かなり本は読んでいるけどとても及ばないよ。運や勘だけでは到底できるものではない、ちゃんと土台となるものがあっての話なんだ。そのうえで孫さん言ってた「脳みそがちぎれるほど考えろ」って。

ほひほひ

だから「道が開けた」という訳だ。まさに本日のことわざ。

タカコ

窮すれば通ず!

ほひほひ

つまり【必ずどこかに道はある】という事だね☆

 

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著者について

 

黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/

数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。

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