第173回 未来から選ばれる会社

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/未来から選ばれる会社

「国土交通省によると、戦後、我が国の総人口は増加を続け、1967年には初めて1億人を超えましたが、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じ、それは現在も続いています。今後は、2050年には1億人を割り込み、2060年には8,674万人まで減少することが見込まれているようです

と、某大手K取締役が語り出し、「若手層の活躍推進」を目的としたプロジェクトのキックオフmtgがはじまりました。

人気企業のひとつである同社では、世間と比較すると「若手の採用も定着」もうまくいっているように感じます。

それでも、今後の国内人口減には危機感を抱いているとのことで、「より一層、若手が活躍しやすい風土や、制度をつくる」ことに真剣に取組み始めたとのこと。

初回は、スタートアップから大手まで「社員の働きやすさ向上」のための制度や取組みについて、情報共有・意見交換が行われていました。

・医療費全額無料
・まかない制度
・社内カップル手当
・推しメン休暇
・花粉症手当
・マッサージ&お昼寝サポート
・100歳までOKな再雇用制度
・理由・回数を問わないリモートワーク
・専業禁止!パラレルワーク制度

などなど、ユニークで、魅力的な取り組みの実践事例が共有されていました。(面白い取組みが多いので気になった方はお調べください!)

印象的だったのが、K取締役の締めの挨拶。

集まったベテラン部課長たちに向かって、

「これからの人口減少社会は、今までの人口増加社会と同じスタンス・やり方じゃ上手く回すことなんでできっこない」

「これからは、誰もが勝手気ままに生きることができやすい『本当の自由社会』に近づくんだと思う」

「我々のようにある程度敷かれたレールの上で懸命に競争し合ってきた『凝り固まった世代』には、想像することもできない時代に入ってきているんだなって感じています」

「我々から見たら、これまでの会社の常識や組織風土に適応できずに、逃げ出してしまうような「社会不適合者の感覚」こそが、大きなヒントになってくると思っています」

「ですから、みなさんにお願いしたいのは、『若手の邪魔をしないでほしい』ということです。例えば、若手が「やってみたいです!」とアイデアを持ってきたら、何も言わず「いいね。やってみてよ」と進めること。そしてその失敗も含めて我々大人たちが責任をとること。そうすれば自然とウチは『未来から選ばれる会社』になれるんだろうね」

「最後の大仕事に一緒に取り組んでほしい。お願いします」

うなづいたり、首を振ったりと、反応はそれぞれでしたが、皆の真剣な表情を頭から離すことはできず、、

これまでと大きく変わる時代の真っ只中にいることを痛感した出来事でした。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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