“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第114回 大手参入をチャンスに変える「逆転の発想」

ものすごくクオリティが高くなりましたよね。だからインバウンドの方にも相当人気で。旅行の最後に小銭が余るので、日本のフィギュアを買う感覚で回していくんです。もはや日本のカルチャーの一つとして完全に認知されていますよね。

いえ、逆にガチャガチャと同じように、マーケットが広がって「初めてクレーンゲームをやる」人が増えますから、大歓迎です。もちろん、その分僕らが提供するサービスのクオリティは上げていかないといけませんけれど。

そうですそうです。大手企業が参入すると、市場自体の認知度が大きく上がる。例えばリユース事業でも、メルカリという「黒船」が登場したことで「リユースすること」が市民権を得たんです。

リユース市場って、だいたい年間で3兆円くらいと言われてるんですが、メルカリができる前はその半分くらいでしたから。もっとも、登場した当初は「ヤバいサービスが現れた!」とビビってはいましたが(笑)。

なるほど(笑)。でもいま思い返してみれば、マーケットを2倍に広げてくれた立役者でもあったと。…いやでも、やっぱりバッティングする部分もあるでしょう? コンビニでクレーンゲームをやる人は、万代さんのお客さんのターゲットでもあるわけで。

もちろんそうなんですけど、「クレーンゲームを知らなかった人が知ってくれる」というメリットの方がずっと大きいので。コンビニでクレーンゲームの楽しさを覚えた人が、「もっと楽しみたいから万代にも行ってみよう」となったら、こちらにはメリットしかない。

ああ、なるほど。だからこそ先程おっしゃっていた「差別化」に注力するわけですね。「コンビニでできるから万代に行かなくていいや」となっちゃダメだから。ちなみに具体的にはどんな仕掛けを考えているんですか?
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。