第149回 人間とAIが共存できる世界とは

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

第149回 人間とAIが共存できる世界とは

安田
実は先日、親知らずを抜いたんですよ。そうしたら思ったほど出血しなかったんですね。これはいいやと思っていたんですが、血が出ないせいでかさぶたができず、骨が剥き出しの状態になってしまって…。

鈴木
うわぁ、聞いているだけでも痛そうだ…。
安田
1ヶ月くらい激痛が続きました(笑)。でね、私としてはなんでこんなに痛いのかとか、いつまでこの状態が続くのかとか、歯医者さんに聞きたいことが山程あるわけです。でも先生も忙しいだろうし、そんな気軽に質問できないじゃないですか。

鈴木
わかりますわかります(笑)。「何か質問ありますか?」とか聞かれても、こんなこと聞いていいんかな…とか遠慮しちゃって、結局何も聞けずじまいになること、僕もよくありますよ(笑)。
安田
でしょう? それでね私は今回、Geminiに相談してみたんです(笑)。これまでの経緯とか痛さとか症状とかを事細かに伝えたら「それはドライソケットという症状です」って即答してくれて。

鈴木
へぇ、それはすごい! お医者さん代わりじゃないですか。
安田
そうなんですよ。しかも「おそらく医師は次にこういう処置をしてくれるはずです」とか「痛みのある箇所に、痛み止めのセメントを詰めてもらうといいですよ」とかさらに詳しい情報も教えてくれて。何回も同じことを聞いても、嫌な反応1つしない(笑)。

鈴木
いやぁ、それはいい使い方ですね。AI相手だったら何の遠慮もなく聞けますもんね。かくいう僕も最近よくAIを使うようになりまして。
安田
そうでしたか! どういう風に使われているんです?

鈴木
思考の「壁打ち」で使うことが多いですね。僕は頭の中のイメージを言葉にするのがちょっと苦手なんですけど、「これを言語化して」って頼むわけです。今までは部下にやってもらっていたんですけど、AIなら気を遣う必要もないし(笑)。
安田
確かに(笑)。AI相手だったら、時間や場所に関係なく自分の都合に合わせて壁打ちできますもんね。

鈴木
そうそう。何も文句を言わないから「もっとわかりやすくまとめて」とか「箇条書きにして」とか、自分が納得いくまで突き詰められる(笑)。
安田
わかります。企業顧問のようなコンサル的な仕事は、あっという間にAIに食われていくでしょうね。AIって引き出せる情報量が圧倒的ですから。

鈴木
いや本当に。僕もこの前、新プロジェクトを立ち上げた時に「プロジェクトの名前とロゴを考えて」ってAIに指示したら、一瞬でめちゃくちゃたくさんアイディアを出してくれて。それを見ながら「お、これいいやん!」ってなった案を即採用しました(笑)。
安田
いい使い方ですね〜(笑)。ちなみに鈴木さん、以前はまだ無料版しか使っていないって仰っていましたけど、有料版に切り替えました?

鈴木
うん、有料版にしました! 月3000円でこんなにいろいろしてくれるなんて、圧倒的に費用対効果が良すぎますよ。
安田
複数のAIを使い分けるのもオススメですよ。私の場合だと、画像生成はChatGPT、相談事はGeminiという風に使い分けています。

鈴木
なるほどなるほど。それぞれのAIの得意分野で使い分けるということか。それはいいですね。
安田
そうなんですよ。さっきのドライソケットの話じゃないですけど、私は子どものちょっとした不調や怪我とかについてもよく聞いていて。先日も子どもの皮膚が赤くなっていたので、その写真を撮ってGeminiに相談すると、専門医並みの情報をわかりやすく整理して教えてくれるんです。

鈴木
ははぁ、かかりつけドクターみたいですね。
安田
そうなんですよ。もちろんそれが本当に正しいかどうかのチェックは必要ですけどね。精神的なケアとか相談に乗ってもらうのは、むしろAIの方が向いている気がします。

鈴木
そういえば先日、ある経営者さんのメルマガに面白いことが書かれていましたよ。AIにできないのは、承認する時の信用とお墨付き、そしてモチベーション管理などの感情領域だって。だから経営者に必要なのは正解を決める力じゃなくて、「この方向で行く。責任は俺が取る」という熱意だけだそうで。
安田
非常に興味深いですね。確かにAIには腹は括れないですもんね(笑)。それこそ契約書とかだってAIで作れますけど、これからはきっと「これでOK、責任を持ちます」というお墨付きを与えるのが、弁護士さんの仕事になっていくんでしょうね。

鈴木
作業をする専門家は消えていって、保証人としての専門家だけが残っていくのかもしれませんね。
安田
ちなみにAIって、ご遺族の精神的なケアにも役立つと思うんですよ。ただただ話を聞いて欲しいとか、辛い気持ちを共有したいとか、そういう時にもAIだったら何時間でも親身に寄り添って会話を続けてくれるじゃないですか。その辺り、鈴木さんはどう思われます?

鈴木
うーん…ご遺族への対応って、やはりまだ「誰が言ったか」という部分に大きく左右される気がするんですよね。人間が相手の気持ちを察して、空気を読みながらかけていく言葉の重みがあるというか。
安田
でも今ってAIの表情分析もかなり進んでいるから、目尻の下げ方とかで「今、この人は心から笑っている」みたいなことを、人間以上に正確に見抜くらしいですよ。

鈴木
え、そうなんですか(笑)。まあ確かに犬とか馬も、飼い主の表情から感情を理解しているって言いますもんね。その理屈でいくと、AIも感情のパターンを学習していく可能性は高いのか…。
安田
そういうことです。きっとこれからは、思考や感情の壁打ちはAIに任せて、人間はその過程で集約されていった答えに判断を下すだけ、という風になっていくんだと思いますね。

鈴木
なるほどなぁ。AIを相棒にして、人間はどう進化していくのか…。ちょっと怖いですけれど(笑)楽しみに見守っていきましょうか!

対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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