この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第154回 セルフレジから考える「監視社会」の未来
安田
鈴木
ありますよ〜。僕の住む
美濃加茂市でもセルフレジは増えてきてます。やっぱり便利ですよね〜。
安田
便利だし、人件費の削減にもなるから、今後もどんどんセルフレジを導入するお店が増えていくと思うんですけど。一方で最近は、万引きとか食い逃げがすごく増えているそうです。
鈴木
そうらしいですね。スーパーやコンビニだけでなく、飲食店とか無人販売所でも問題になっているとか。
安田
そうなんですよ。でも日本って「誰に見られてなくてもお金はキチンと払う」という文化だったと思うんですよね。それこそ田舎の野菜販売所なんて、まさしく「性善説」で成り立っているわけじゃないですか。
鈴木
確かに確かに。そう考えると、今はその「性善説」が通用しなくなってきているわけですか。
安田
ええ。それで結局、セルフレジの横に店員が立って見張らなきゃいけなくなっている。…それなら最初から人間がレジ打ちした方がいいのに、なんて思いますけど(笑)。
鈴木
本当やね(笑)。でも完全無人化しちゃうと被害が大きくなっちゃうから、仕方ないんでしょうね。
安田
そうなんですよ。でもそうやって防犯にコストがかかることで、商品やサービスの値段が上がってしまう。そうすると、真面目にルールを守っている人までもが損をすることになって、なんか嫌じゃないですか?
鈴木
万引きする人って、何度もやると思うんですよ。だから怪しい動きをしている人がいたらAIカメラで即座に特定して、警備会社に連絡がいくようにするとか、それぐらいしちゃってもいい気がしますね。
安田
まさに今の中国がそういう感じですよね。街中いたるところにカメラがあって、信号無視しただけで顔を識別されちゃって点数が下がるって。
鈴木
安田
そうそう。で、その点数が高いといろんな面で優遇されて快適に過ごせるけれど、悪いことをして点数が下がると、ローンが組めなかったり無人のお店では買い物すらできなくなると。これってある意味すごくフェアだと思うんですけど、鈴木さんはどう思われますか?
鈴木
ルールを守っている人に恩恵があるという点では、僕も納得感はありますね。どこもかしこもカメラだと「プライバシーが…」なんて言う人もいるでしょうけど、防犯のために人を増やすのなんて、もう現実的には無理じゃないですか。
安田
ですよね。電車内のカメラだって、痴漢の犯人を特定できると同時に、冤罪からも守ってくれるわけじゃないですか。そういう意味では私も多少のプライバシーが侵害されるくらいなんてことないかなと思っちゃいますね(笑)。
鈴木
同感です(笑)。とは言え、中国のように「国主体」でやるとちょっと反発もすごそうだから、日本ではドライブレコーダーとか誰かが撮影したスマホの動画とかが、事件解決や防犯意識向上に繋がるのかもしれないですね。
安田
あ〜なるほど。確かに何か事件があった時に、警察にドライブレコーダーの映像を提出するのって、今は当たり前のことですもんね。
鈴木
そうそう。ドラレコのおかげで事故の真相がわかるようになって、誰に非があるのかが一目瞭然になったわけですから。昔に比べて、余計な冤罪を生み出すリスクもぐんと下がったと思いますよ。
安田
私は、治安を保つという目的で公園とか学校などの公共施設には全部、監視カメラをつければいいと思っているんですけど。ただそういうことをしようとすると、必ず沸き起こるのが「プライバシー問題」。
鈴木
「常に監視されているのは嫌だ」ってやつですね(笑)。別に家の中にカメラをつけろって言っているわけじゃないんだから、何をそんなに拒否するんでしょうね?
安田
…なんとなく嫌なんでしょうかね(笑)。
鈴木
中国のように、良い行動をした人が評価されるような仕組みを作るのもいいかもしれない。そうしたら悪いことをしないという抑制にもなるだろうし。
安田
なるほどなるほど。それは確かにいいかもしれない。
鈴木
たぶん万引き問題もそうですけど、「運が良ければ捕まらない」ではなくて「100%捕まる仕組みがある」ということが、結局のところ、みんなが安心して生活できるカギなんだと思いますよ。
安田
なるほどなぁ。日本の良さでもあった「性善説」が揺らいでしまうのは残念な気もしますけど、テクノロジーをうまく使って、真面目に生きている人が損しない世の中にしていくべきだということですね!
対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役
株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。
