“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第151回 ディスカウント戦略が必ず「終焉」を迎える理由

商品やサービスが売れなくなると、値段を安くする経営者が多いように感じるんですが、それって決していいやり方じゃないと思っていて。安くするんじゃなくて、高くても欲しくなるような商品を作った方がいいと思うんです。

順番として整理すると、商品が売れなくなったら「欲しい」という力がなくなってきているわけだから、安くするんじゃなくて高くても欲しいと思ってもらえる商品に変えていく。その上でできるだけ手頃に提供する努力をすると。

仰るとおりです。例えば鮮度が落ちたゲームソフトでも、安くするんじゃなくて攻略本をつけるとか、何かプラスアルファで単価を上げる工夫をする。何も考えずに価格を下げていくと、皆バーゲンハンターになって値下げシールが貼られるまでずっと待つようになりますから。

確かにそうですよね。それってどんな商品に対しても同じなんしょうか。例えば必要なものと欲しいものって違いますよね。お米とか電気とか、どうしても買わなきゃいけない必需品と、欲求を刺激するものとでは価格設定も変わる気がします。

そこは分けて考えた方がいいでしょうね。僕は「生活の匂いがするかしないか」で決めています。生活の匂いがしないものって、なくても生きていけるものですからエンタメに近い。例えば鉛筆は日常品ですけど、そこにキャラクターがついたら生活の匂いがしなくなるんですよ。

ああ、面白いですね。烏骨鶏とか名古屋コーチンの卵だったらエンタメっぽいけど、ワンパック130円の卵が110円ですみたいなのはもう完全に生活の匂いがする。ちなみに万代さんではそういう「生活の匂いがする」売り方はしないわけですか。

何か一つだけでもこだわりを強くするといいと思います。例えば醤油の品揃えだけはやたらこだわっている店があったら、ちょっと立ち止まるじゃないですか。「こんな種類があるんだ」って。その瞬間に購買がちょっと楽しくなるんですよ。

ああ、確かに。「こんな醤油初めて見た!」と思ったら、ちょっと高くても買っちゃいますもんね。バーゲンハンターだけの店だったら、卵買って素通りするだけですけど。そもそもそういう醤油に興味を持ってくれるお客さんが来ていないわけですもんね。

ええ。だからいかにバーゲンハンターのお店から脱却するかなんです。ディスカウントだけで成り立つ小売っていうのは、最終的にはこの世に存在しない。どんなに規模が大きくても、必ずどこかで終焉を迎えるんです。

規模で押し切れそうな気もしますけど、そうはいかないと。値引きって基本的に業者さんを泣かせているわけですから、最終的には協力してもらえなくなりますよね。よそが安くしたらさらに安くしろとエスカレートしていく。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

















