第153回 毎日のトラブルは会社を強くする「素材」

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第153回 毎日のトラブルは会社を強くする「素材」

安田

前回は倉橋さんが社長を譲るって話をしましたが、社長の座を譲るくらいだから、他にもいろんなことを権限移譲しているんだろうなと。それで聞きたかったのが、社員さんの失敗をどこまで許容しているのかなということなんです。失敗を恐れていたら権限移譲なんてできないけど、致命的な失敗をされても困るわけで。


倉橋

失敗は自分も含めて絶対にしますからね。とはいえ、会社の存続に関わるような判断は経営者がやるものなので、社員に任せている範囲内で「致命的な失敗」は起こらないと思っていて。

安田

ああ、なるほど。確かに仰る通りですね。ということは、任せた範囲内での失敗に対しては寛容なスタンスなんですか。「こういう失敗は許すけどこういうのはダメ」というような線引きがあるわけではなく、基本的にはどんな失敗も受け入れる?


倉橋

うーん、なんていうんでしょうね。大きな失敗が起こり得る場面には自分が出ていくので、許容できない失敗というものがそもそも発生しないという感覚です。

安田

なるほどなるほど。では小さな失敗と言うか、日常的な問題については、どういうふうに捉えているんですか?


倉橋

会社に1500人もいれば、ネガティブな話が何もない日なんて、365日の中に一日もないんですよ(笑)。昨日も店舗で停電が起きて2時間営業できなかったという報告がありましたし。だから問題と言うよりプロセスの一部というか、「今後より良くするための材料」として受け止めるしかないですよね。

安田

ははぁ、なるほど。ちょっと話は違いますけど、私もFacebookで2000人ぐらい友達がいるんですが、365日毎日誰かの誕生日ですからね(笑)。それと同じ理屈で、毎日どこかで何かが起きていると。


倉橋

そうなんです(笑)。例えば台風が来て漏電して停電になったとしたら、次に同じことが起きないように雨漏りと漏電のチェック機能を一つ増やしておく。問題が起きるたびにカバーできるネタが一つ増えるわけですから、それは会社にとってプラスの素材だと言えるじゃないですか。

安田

確かに。でも世の中的には「なんで準備しておかなかったんだ」と責める上司も多いですよね。「起きたことは仕方がない」と割り切れるのは、倉橋さんの器の大きさなのか、それとも経営者としての合理的な判断なのか……


倉橋

起きたことにいちいちストレスを抱えるぐらいなら、そもそも店を作らない方がいいんですよ。すべて自分が決めた意思決定によって起こった事象ですから、「失敗」という概念自体を捨てて、「材料」として受け止めるようにしています。

安田

そうは言っても、何回言っても同じミスをする社員とか、鍵を閉め忘れて帰るとか、商品を壊すとか、そういう事象については腹が立ちません?


倉橋

うーん、どうでしょうね(笑)。ただ現実問題、その手の問題は僕のところまで上がってこないことが多いんですよ。仮に上がってきたとしても、それは会社やお店の仕組みに問題があるわけで、問題を起こした人もその上司も責めないでしょうね。

安田

なるほどなぁ。そういう土壌ができていれば、現場も上司にあれこれ報告しやすいのかもしれませんね。

倉橋

そうそう。つまりその逆の状態を僕は避けているんですよ。失敗を責める文化ができると、社員が失敗を隠すようになってしまう。それが一番まずいと思っているので。

安田

ああ〜、確かにそうですよね。怒られるとわかっていたら、誰だって隠したくなりますもんね。なるほど、そういう視点でのマネジメント方法なんですね。…ちなみに倉橋さんが怒られることはないんですか(笑)。

倉橋

ああ、会社ではないですけど、家では僕、めちゃくちゃ怒られるんですよ(笑)。昨日も犬のエサをレンジで爆発させてしまって、妻にものすごく怒られまして。もうしょんぼりですよ(笑)。

安田

なるほど(笑)。でもそのしょんぼりする気持ちがわかるからこそ、社員にはそうさせたくないと思うのかもしれない。

倉橋

そうかもしれませんね。失敗を責めずに仕組みで解決していくというのは、組織として大事な文化だと思っています。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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