このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/腹が減っては戦はできぬ
某大手さんにて、「部門間の連携強化」を目的とした「マネジャーmtg」に同席させていただいた時のこと。
営業、開発、製造、バックオフィス、経営企画。
皆さんそれぞれに“正義”があり、それぞれに“ご事情”がおありです。
営業は“スピード”を求め、開発や製造は“品質”を守り、バックオフィスは“リスクと統制”を見て、経営企画は“全体最適”を考える。
大手企業における“部門間連携”とは、言い換えれば「異なる腹づもり同士のすり合わせ」なのかもしれません。
設定されたテーマでの議論は行ったり来たりで、なかなか進みそうにありません。。
そんな中、ある方が言いました。
「腹の探り合いはやめて、腹を割って話しましょうよ」
おお、これは議論が一段深まるぞ。そう思った矢先、別の方がぽつり。
「腹がつく言葉って、結構ありますよね」
そこから出るわ、出るわ。
腹が立つ、腹に据えかねる、腹黒い、腹をくくる、腹が据わる、太っ腹、自腹を切る、私腹を肥やす。
気づけば会議室は、連携強化mtgというより、やや“国語の授業”の様相を呈していました。
ところが、不思議なもので、少し笑いが起きると場の空気はほぐれます。各部門が抱えていた「腹の内」も、少しずつ言葉になっていくのです。
連携強化に必要なのは、“立派なスローガン”だけではなく、相手の腹を読む前に、“自分の腹を見せること”なのかもしれません。
腹を割るには、まず場の空気を少しだけ柔らかくする。大手さんの会議には、そんな“腹八分目くらいの余白”も大切なのかと感心しておりますと。
終了間際に、どなたかが言いました。
「まあ、腹が減っては戦はできぬ、ですし。この後、みんなで飲みに行きましょうか」
結局、部門間連携とは、資料だけで進むものではなく、同じテーブルを囲みながら少しずつ育っていくものなのかもしれません。
「腹を割る前に、まず腹を満たす」
大手さんの連携強化は、今日も会議室の外で本番を迎えるようなのであります。

















