その1「はじめまして」

はじめまして。

縁あってこちらにスペースを頂きました。
ネットでは「GG」と名乗っております。
GGとは「ぐぐっても名前が出てこない、普通の人」の略でございます。
そこいらでサラリーマンをやっております。

まあ、
そこいらのサラリーマンといえど
小さな悩み苦しみはあるもので、
ここ最近についていえばなんといっても
なんの靴を履いたらいいのかという悩みに
日々思い悩んでいるのです。

と申しますのも
当方、一日の大半を
会社ネームの入った作業制服を着て事務所で過ごしております。
足元はスリッパでなければ
特になにがダメということもない決まりでしたので、
靴くらい好きなものを履こうといたしました。

自分はひよわな中年ですが
一時期愛好しておったのは
筋骨たくましいメリケンの肉体労働者向けに作られた
かかとの高さが5cmある
片足1kgの分厚い革のブーツでした。

それをこっそり履いてみたところ
大抵の事務所がそうだと思うのですが
床下に配線を敷くために中空になっている床なので
足音がごとんごとんと響いてしまう。

これでは悪目立ちしかねないということで
今度はいわゆるちゃんとした紳士靴を履こうとしたところ、
何万円かはする革靴と
1800円の作業ズボンを一緒に着ているのは
これまたゆがんだ組み合わせといわざるをえず、
悩みは一向に解決しないのです。

こんなことを申しますと
おまえの悩みは悩みではない、
いい年の大人の悩みは仕事や家庭がすべてなのだと
お𠮟りをうけるやもしれません。

しかしそもそもが
われわれが生まれてこのかた、
悩みから解放された瞬間があったでしょうか。
現在、中年の身からふりかえっても
子どものときは
一個のオモチャを一生のお願いと思うほどに渇望したものだし、
これからは
老いと病が関心の中心になることは容易に想像がつきます。

自分で用意した悩みを悩む。
それだけが人生について回る悩みから
自由な瞬間を得る方法ではないのでしょうか。

まあ、
ほんとうは次に欲しい靴のことを考えたいだけですが…

著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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