【GlobalPicks/vol.152】流行語大賞2018イギリス版

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先々週は、イギリス版の「2020年流行語大賞」を紹介し、先週は「2019年流行語大賞」を紹介したので、さらに遡って2018年の流行語大賞」(いずれもイギリスのCollins発表)を紹介します。

●Word Of The Year 2020(2020年のコトバ)
https://www.collinsdictionary.com/woty
2020年の大賞は「LOCKDOWN(ロックダウン)」

●Word Of The Year 2019(2019年のコトバ)
https://blog.collinsdictionary.com/language-lovers/collins-word-of-the-year-2019-shortlist/
2019年の大賞は「Climate strike(気候変動スト)」


2018年は…

Word Of The Year 2018(2018年のコトバ)
https://blog.collinsdictionary.com/language-lovers/collins-2018-word-of-the-year-shortlist/

2018年の大賞は「Single-use(使い捨て)」でした。

Single-use(使い捨て)
Adjective(形容詞)
Made to be used once only

→1度だけ使うために作られた

主に「プラスティック(ペットボトル)を使い捨てることによって、地球環境や生態系にダメージを与えるから良くない」という文脈で使われまくってWord Of The Year 2018に選ばれました。

思えば2018年の「Single-use」から2019年の「Climate strike」へとシームレスにSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の文脈で繋がってますね。
そして2020年の「Lockdown」による経済停滞で、図らずもSDGs的な「地球環境」という観点では、そのGoalに少し近づいてしまったわけです、我々地球人は。。。

2018年は「Single-use」へのアンチテーゼとして、次のWORDもノミネートされていました。

Plogging(ゴミ拾いジョギング)
Noun(名詞)
A recreational activity, originating in Sweden, that combines jogging with picking up litter
→スウェーデン発祥のアクティビティで、ジョギングとゴミ拾いを合わせたもの

Plogging = Plucking(ゴミ拾い)+ Jogging(ジョギング)
です。元々ジョギングもゴミ拾いも両方流行ったこともあり、その2つを同時にやってしまうアクティビティがスウェーデンから火がついて全世界的に流行りました。
「Single-use」で街中に捨てられたペットボトルやレジ袋を「Plogging」で拾いながら、健康にも良いジョギングしながら地域環境にも貢献するので、完全正義の「SDGs」案件ですね笑

もう一つノミネートを取り上げて終わりにします。

MeToo(ミートゥ運動)
Adjective(形容詞)
Denoting a cultural movement that seeks to expose and eradicate predatory sexual behaviour, especially in the workplace
→特に職場での略奪的性行動を公に対して暴露して根絶を目指す文化的な運動のこと

ご承知のとおりだと思います。Metooです。
コリンズの辞書的には「職場での」という場所についての言及はありますが、「女性」という表現は無いよ、というのが注目点で、これが後に議論の的にもなりました。「男性も女性から被害を受けるよ VS いやいや被害者はほとんど女性でしょ」的な議論です。
概ね「多様性」とか「女性の権利」とか「平等」とかの文脈ですので、これも「SDGs」的な要素を大きく内包していたわけですね。

ということで、結局のところ
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)
が、「いつか役に立つかも英単語」となります。
むしろ「知らないとヤバイかも英単語」です(笑)

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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