【vol.174】コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)医療システム

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、McKinsey(マッキンゼー)が年初に寄稿した記事から、コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)を考えたいと思います。

今週の記事はこれ

The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond
(ニューノーマルがやって来る:2021年とそれ以降の世界を決定づけるトレンドとは?)

https://www.mckinsey.com/featured-insights/leadership/the-next-normal-arrives-trends-that-will-define-2021-and-beyond

2021年以降のニューノーマルを定義づけるいくつかのトレンドがリストアップされています。

先にリストを提示しておきます。

・The return of confidence unleashes a consumer rebound
・Leisure travel bounces back but business travel lags
・The crisis sparks a wave of innovation and launches a generation of entrepreneurs
・Digitally enabled productivity gains accelerate the Fourth Industrial Revolution
・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
・Supply chains rebalance and shift
・The future of work arrives ahead of schedule
・The biopharma revolution takes hold
・Portfolio restructuring accelerates
・Green, with a touch of brown, is the color of recovery
・Healthcare systems take stock—and make changes
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
・Stakeholder capitalism comes of age

先週の続きを見ていきます。

Healthcare systems take stock—and make changes
(医療システムは棚卸しをして、変化に向かう)

内容読みましたが、前半は下記の3点が要点でしたので、それをまとめておきたいと思います。

・医療改革というのは日常生活に密接するからこそ、スピードが遅れがちだ
・パンデミックのようなショックは逆に改革の機会になる
・韓国は2015年のMERSの時の悲劇的な教訓を生かして医療改革を実行して、今回のCOVID19への対処をうまく実行した

言い方はちょっと不謹慎ですが「パンデミックのような外的ショックによって、これまで遅々としか進んでこなかった医療改革がいい方に進むだろう」というのが主旨です。

下記に続きます。

An upgrade of public-health infrastructure and the modernization of healthcare systems, including the wider use of telemedicine and virtual health, are two areas to address.

公衆衛生インフラのアップグレードと、遠隔医療及び仮想医療の幅広い使用を含む医療システムの近代化が、取り組むべき2つの分野だ。

前段で「外的ショックを受けている今こそ医療改革が起きうる」という指摘がありましたが、特に「1.医療インフラの向上」と「2.遠隔医療&バーチャル医療の活用」が否応なく進むということですね。

「Telemedicine(遠隔医療)」は分かるのですが「Virtual Health(仮想医療)」ってよく分かりません、私。。。

ググってみました。
「患者と医者を繋ぐためにデジタルやデジタルデバイスが活用される医療」のことらしいです。思ったよりも単純な定義でしたw デジタルデバイスで繋がってればいいのね。
もちろん「バーチャル」で診察や手術をすることが含まれますね。バーチャル投薬というのもあるのでしょうかね。

パンデミックによって「強制的に誘発された変化」の一例を考えたときに「ちょっとしたことでは病院に行かなくなった」という変化が挙げられると思います。今まで「ちょっとしたことで病院に行っていた」人たち(患者)が、コロナ忌避で自宅療養に切り替えてたわけです。
でも「ちょっとしたことで病院に行っていた人たち」は必ずしも「遠隔診療」とか「バーチャル医療」に対するリテラシーが高いとは限りません。むしろ低い人が多いとも言えます。
そうすると、こうした「これまでよく病院に行っていた人たちが、自宅にいながらにして、これまでの病院のサービスを享受できるようにサポートするビジネス領域」は確実に活性化するでしょうね。

もっと身近なところでは、地域のクリニックは「これまでの患者(ビジネス側面では「顧客」ですね、要は)を随分失ってしまっている可能性があるでしょうから、地域のクリニックに「これまでの患者が遠隔または仮想的に通院できるように支援するビジネス領域」の活性化が領域化しそうですね。

もうすでに雨後の筍のように立ち上がっているかもしれませんね、そうしたサービスが。

それこそが、パンデミックという「外的ショック」がもたらした功罪の「功」の部分かもしれません。
そしてそれが本当に「功」になるかどうか?は「まだ私達は知らない」のですけど。。。

 

著者の他の記事を見る


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ

感想・著者への質問はこちらから