「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第114回 「ツアー型」と「個人旅行型」、2つの美容師タイプ

もちろんです。まず「ツアー型美容師」というのは、いわゆる「お客様側が望むそのままを提供するタイプ」です。世間で流行っている髪型やカラーなど、お客様の「やってみたい」というニーズを満たしてあげる美容師ですね。

なるほど。パッケージツアーのツアコンのようなものですね。

そうそう。例えば、「自分はクセ毛だからストレートパーマをかける」と決めているお客様に対して、その通りに施術するということですね。でも世の中にはそれだけだと満足できないお客様、例えば「そもそも私に似合う髪型は、一体どういうものなんだろう?」と悩んでいる人もいるわけですよ。

そうなんですよ(笑)。そのドキドキやワクワクを一緒に楽しめるのも、個人旅行型の醍醐味かなと。終わった後に「そうそう、これこれ! こういうのを求めていたの!」というような、お客様の中から湧き上がってくる喜びを提供するんですよ。

そうですね。髪を切ったりロットを巻いたり、といった施術自体は変わりませんが、「ツアー型=言われたことをキチンと再現するスキル」と「個人旅行型=悩みを理解して解決してあげるスキル」が、それぞれ必要だと思います。

まさにそこがジレンマなんですよ。もっとじっくりお話しながら個々に合わせた提案をしたいのに、予約枠は1時間半とか2時間しか取れていない。しかも2時間後には次のお客様の予約も入っている。そうなると、やりたいことを100%やるにはまた別日に来ていただかなくてはならない。

そうなんですよ! 意外とお客様って衝動的に「今、解決したい」って思われていることが多いので。だからこそ僕は、当日その場で一緒に解決策を考えて、施術を提供するようにしています。それで言うと、ちょうど先日ウチのお店にいらしたお客様のお話をご紹介してもいいですか?

そうなんですよ(笑)。もともとその方の息子さんが僕の娘の知り合いということもあって、東京からウチのお店に通ってくれているんですね。で、息子さんはハウオリをしてくれているんだけど、回を重ねるごとにどんどんカッコよく変わっていて。その様子を見ていたお母さんも「私もやりたい!」って来店してくださったんです。

その方、初回はハウオリとカラーをやったんですが、髪も明るく綺麗になったし、お友達からの評判もすごく良くて、とっても気に入ってますって言ってくださって。ただハウオリはまだ1度しかやっていないこともあって、「正直なところ、朝のセットが大変なのはあんまり変わらないのよね」って。

2時間半です。そして当然、その方の後にも他のお客様の予約が入っている状態でした。だからその方には「ちょっと待っていただくことにはなりますが、もし時間に余裕があれば追加でできまけどどうしますか?」って。そうしたら「時間は全然問題ないので、やりたいです」って言ってくださって。

いやぁ絶対そうですよ。以前の対談で、わざわざ海外から日本の美容施術を受けに来る外国人が増えているってお話もありましたけど、「自分にとっての大正解」を提供してくれる美容師さんのところには、距離や価格なんて関係なく人は集まるんだということがよくわかりました!
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















