【vol.232】2022年に注目されているスタートアップ企業①

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週まではHR領域でしたので、今週からは各国で2022年に注目されているスタートアップ企業をPick Upします。
今回はイギリス(UK)の記事です。

今回の記事はコレ
https://startupstash.com/uk-startups/
Top UK Startups To Watch in 2022
(2022年UKで注目すべきスタートアップ企業達)

1. Infogrid(インフォグリッド社)
HP https://www.infogrid.io/

The company makes use of AI technology to automate building management and save time for facilities managers.

同社はAI技術を活用し、ビル管理の自動化と施設管理者の時間短縮を実現している。

IoTでスマート化された新しいビルがどんどん立ち並んでますよね。
東京駅の周りも、久しぶりに歩いたら随分再開発が進んでいました。
Infogrid社は「古いビル」を「スマート化」することに特化している会社です。
「新しい技術で新しいものをつくる」のではなく、「新しい技術で古いものの寿命を延ばす」という発想なので、なんとなくイギリス的ですね笑

2. Appear Here(アピアーヒア社)
HP https://www.appearhere.co.uk

The company provides an online marketplace for retail space, helping businesses to get their foot in the door. They have helped to facilitate more than 10,000 stores getting the space they need and this number is going to increase even further in the future.

同社は、小売スペースのオンラインマーケットプレイスを提供し、企業の市場参入を支援している。これまで1万店以上の店舗が必要なスペースを確保できるよう支援してきたが、この数は今後さらに増えていくようだ。

ちょっと分かりにくいですが、要するに実店舗としての期間限定ストア(POP-UPストア)のための物件を、オンライン上で提供するマーケットプレイスです。
空いたスペースを有効活用しよう、というスペースのシェアリングサービスは日本でも多少盛り上がりを見せていますが、Appear Here社は小売店のためのストアスペースを期間限定で提供する、というビジネススコープです。
なので物件自体も場所も内装も小売に最適化されているものが多く、一流ブランドも進んで利用したいレベルになっています。
ただ単純に「空いているスペースあります、良ければ使ってください」というマッチングプラットフォームとは一線を画しています。

NIKEとか、APPLEとかも利用しているらしく、NETFLIXのキャンペーン店舗としても使われたりしたみたいです。
HPのインターフェースも下記のように「シンプル×おしゃれ」です。

POP-UPストアを出したい「場所」と「期間」を設定すると、様々な魅力的な物件が出てきて契約のエントリーできる、という建て付けです。

同社は「リテール業界のエアビーアンドビー」と呼ばれるほど注目されていて、数年後に「ブランドが実店舗で、オンラインにはない価値をいかに提供するか?」という視点で世界観を変えている可能性がありますよね。

イギリス全土をPOP-UPストアでキャラバン的に回る移動型店舗をやってみる、とかもできますよね。
「1月はロンドン、2月はマンチェスター、3月はリバプール、4月はグラスゴー、、、、」みたいに、固定的な店舗を持たないキャラバン型の小売店を展開して、うまく行ったエリアに「固定店舗」を構える。
そういうテストマーケティングもできるかな、と思いました。

 

著者の他の記事を見る


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ

感想・著者への質問はこちらから