【vol.288】重要マーケティング用語109⑥

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に続き、2023年の「重要マーケティング用語109」というリストの中から「いつか役にたつかも」というものをピックアップしたいと思います。Intergrowthというサイトです。

今回の記事はコレ

109 Marketing Buzzwords to Know in 2023
2023年に知っておくべき、109のマーケティングバズワード
(https://intergrowth.com/marketing-buzzwords/)

※109個はあまりにも膨大なのですが、ざっと眺めてみたところ
・既に多くの人が知っていそうな用語
・あまりにもマニアックすぎる用語
も多く含まれていたので、109から厳選して見ていこうと思います。

今週は下記の1つだけ

■ Second-Screen

早速みていきます。

■Second-Screen(セカンドスクリーン)

How often do you look at your phone or tablet while watching TV at the same time? If you’re like most people, probably pretty often. In fact, according to Nielsen, 88% of Americans use a second device while watching television. That’s almost everyone!

テレビを見ながら同時にスマホやタブレットを見ることはよくあるだろうか?ほとんどの人がそうだとしたら、おそらくかなりの頻度だろう。実際、ニールセンによると、アメリカ人の88%がテレビを見ながら2台目のデバイスを使っている。これはほぼ全員だ!

2つ以上の「スクリーン」を同じ時間帯に併用して試聴することを「ダブルスクリーン」視聴と言います。「TVのスクリーン(First-Screen)+もう一つのスクリーン(Second-Screen)」のダブルスクリーンが常態化しているのは、アメリカ人のほぼ9割、という結果ですね。

アンケートの「問い方」にもよると思いますが、まあいずれにしても、ほぼどこの国でも「大半の人がタブルスクリーン状態」で視聴しているのが日常ということだと思います。

Not surprisingly, TV networks and streaming services have led the charge. Netflix, for example, uses data to determine when people are watching certain shows the most. They’ll tweet inside jokes about those shows during those times, allowing the audience to engage further with the show.

驚くなかれ、テレビネットワークとストリーミングサービスがこの動きをリードしている。例えば、Netflixは、データを利用して、人々が特定の番組を最もよく見ている時間を特定している。その時間帯に、その番組に関する内輪ネタをツイートすることで、視聴者がさらに番組に夢中になるようにするのだ。

典型的な例としては「Netflix見ながらスマホいじる」というパターンですね。当然Netflixは「誰がどの時間にどのNetflixの番組を観ているのか?」のデータを分析しているわけですから、ネットニュースとかツイートとかインスタなどと「時間連動」しながら、コンテンツ訴求や関連広告やキャンペーンを展開できることになりますね。

このように、ダブルスクリーンとかトリプルスクリーンが普通になっている中で、自分のことを考えてみても
1. PCでエクセルシートを参照
2. 側にiPadを置いてZoomで会話
3. 急を要するメッセージはスマホで確認
みたいな「20年前は到底考えられなかった」マルチデバイス同時使用を普通にこなしてしまうわけです。

取り立ててデジタルデバイスの利用に長けているわけでもない(むしろ、長けてないです。。。)普通の40代のおっさんの脳と手指を「適応」させていくわけですから「デバイスとAppの進歩」ってすごいですね。
これって「IT」と「人間工学(エルゴノミクス)」の勝利なんでしょうかね。

いや、ちょっと待てよ。

よくよく考えてみると、例えば20年前の株式のトレーダーは、
1.デスクトップPCで株価チャートを参照
2.机の上には日経新聞
3.片手にブラックベリー端末
4.耳と肩の間に電話機を挟んで会話
5.直接同僚と大きな声で会話
を同時並行でこなしていたわけです。
40代のおっさんであろうと例外なく通過してきた「マルチデバイス&マルチタスク」の戦場は以前からあったのです。

実はこういう「マルチデバイス」の同時活用ってトレーダーの事例以外でも、昔から存在しています。
人の脳と手指っていかなる状況にも「ただひたすら慣れていくだけ」なのかもしれません。
もしかすると「進化」ってただの「慣れ」のことなのかもしれませんね(笑)
そうなると「IT」がすごいのではなく、「慣れ」がすごいのか。。。

そのうち、PC画面の左半分でNetflix見ながら右半分でYouTube見て、さらに同時に左手の1台目スマホでツイートしながら右手の2台目スマホでインスタの投稿する「おじさん(おばさんでもいいのですけど)」が普通に日常化するのかもしれません。いや、流石に無いと信じたい。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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