【vol.296】2024年以降の航空業界(機内エンターテイメント)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き「2024年以降の航空業界」についてみていきます。StartUSというスタートアップに特化したサイトの記事が面白かったので読んでみたいと思います。

今週の記事はコレ

https://www.startus-insights.com/innovators-guide/airline-industry-trends/
Explore the Top 10 Airline Industry Trends in 2024
(2024航空産業トレンドTOP10)

この記事の原文では
・10のトレンド
・各トレンドのインパクト係数(割合)
・各トレンドを牽引するスタートアップ企業
が紹介されています。

10のトレンドは下記の通りです。

1.Green Travel
2.Autonomous Flights
3.3D Printing
4.Personalization
5.Blockchain Security
6.IoT Connectivity
7.Immersive Simulation
8.Location Intelligence
9.In-Flight Entertainment
10.Biometrics

 

今週はTOP10から「8.Location Intelligence」を飛ばして(面白くなかったので)、「9.In-Flight Entertainment」の部分を読んでみます。

9.In-Flight Entertainment(機内エンターテイメント)

IFE encompasses a range of entertainment options, including movies, TV shows, music, games, and more, provided to passengers during their flights. This amenity not only serves to alleviate the monotony of long journeys but also enhances customer satisfaction and loyalty. With novel technologies, airlines are delivering personalized content, seamless streaming, and even interactive experiences.

IFEには、映画、テレビ番組、音楽、ゲームなど、フライト中に乗客に提供されるさまざまなエンターテインメント・オプションが含まれる。長旅の単調さを和らげるだけでなく、顧客満足度とロイヤルティを高める役割も果たしている。斬新なテクノロジーにより、航空会社はパーソナライズされたコンテンツ、シームレスなストリーミング、さらにはインタラクティブな体験を提供している。

機内エンターテイメントが「顧客ロイヤルティ」や「旅の満足度」を向上させることは確かだと思います。
一方で「delivering personalized content(パーソナライズされたコンテンツの提供)」については、これまでも私見を書いた通り「各個人への最適化は、乗客個人の側のデバイスでやれる」ので、“なんかちょっと違う感”があります。

どちらかというと、「iPadを設置できる仕様の座席」とか「iPhoneの設置場所が複数ある」とかの方が、結果的に「個人への最適化」になる気もします。

Such entertainment solutions keep passengers engaged and also provide airlines with opportunities for additional revenue streams through advertisements and premium content offerings. In-flight entertainment has also become a competitive differentiator for airlines, contributing to their brand image and overall passenger comfort.

このようなエンターテインメント・ソリューションは、乗客の関心を引きつけるだけでなく、広告やプレミアム・コンテンツの提供を通じて、航空会社に新たな収入源を提供する機会も与えている。また、機内エンターテイメントは航空会社にとって競争上の差別化要因となっており、ブランドイメージや乗客の快適性向上に貢献している。

一方で、上記本文にあるような「premium content offerings(プレミアムコンテンツの提供)」は魅力的に見えます。

・特定のエアラインに搭乗中しか進行できないプレミアムゲーム
・特定のエアライン搭乗中のみに獲得できる「人気ゲーム」のキャラクタやスキン
・特定のエアラインに搭乗中しか視聴できないライブ映像
・特定のエアラインに搭乗中しか視聴できないバラエティ番組やコント作品

こうした「搭乗中限定」でオファーされるプレミアムコンテンツであれば、それを楽しむこと自体が「搭乗の一つの理由」になり得ると思います。
ただ、実際に「エアラインが提供する旅番組」などは現在も多数存在しているわけですので、そこから言えることとしては「今のレベルの番組だとプレミアム感は全然ない」ということでしょうか。。。

例えばYOASOBIがJAL(またはANA)の航空機格納庫の中でシークレットLIVEをやって「そのLIVE映像」と「オフショットを含む実現までのドキュメンタリー」とかを、特定のエアライン搭乗中のみ機内エンタメとして視聴可能にする、くらい必要な気もしますね。なかなか大変そうですけど、不可能ではなさそうですね。
 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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