第105回「ホールインワン」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第105回  「ホールインワン」

妻が異動の送別品としてお菓子をもらってきました。その商品名についてのお話しです。“HOLE IN ONE”、あの虎屋が商標登録しているネーミングです。実際の商品はコチラ

 


登録446072号(権利者:株式会社虎屋)
【商標】

【指定商品/役務】
菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつ豆・ゆであずきを除く。),粉末あめ,水あめ(調味料),もち,パン など


友人や上司の昇進や異動のお祝いをする時、皆さんはどんなプレゼントを選びますか?
プレゼントを買うときは、それを贈る理由やストーリーを昇進や異動と関係づけて考える人が多いと思うのですが、ホールインワンは、この点でお祝いと相性が良いです。

「ホールインワン」は、ゴルフに興味がない人でも最高のプレー/スコアを指す言葉だと知られていて(※)、「一番」「喜び」「祝福」などのイメージを想起させます。そのイメージは、「会社のトップを目指してほしい」や「営業成績1位のお祝いに」といったメッセージやストーリーとすぐに結びつきます。もし送別品を買いに行って、同じ和菓子が並んでいたとしたら、思わず「ホールインワン」を手に取ってしまうのではないでしょうか。

未来コンパスが指すミライ

この事例から感じたのは、良いネーミングとは、消費者の購入目的によって違うなということです。その目的が「贈り物」の場合は、相手に話すストーリーのフックとなるネーミングが良いでしょうし、「日常使い」の場合は、「商品特徴が端的にわかる」ネーミングが訴求しやすいのかも知れません。
結局、消費者がその商品をどのように使うのか、何の目的で購入するのかを想像して、その人、そのシーンに合うネーミングが必要ということなのでしょうか。
マーケティングとネーミングは表裏一体なのだなと、素人の私は感心したのでした。

(※)正確には、よりよいスコアを表す言葉として「アルバトロス」(PAR5を2打で終える)がありますが、ゴルフに馴染みがない方は「ホールインワン」により良い印象を持つと思われます。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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