第114回「HearO」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第114回  「HearO」

Apple Watchを含むスマートウォッチは、各種のセンサーを使って、心拍や血中酸素レベルなど健康に関する基礎データを広く取得できるデバイスになっています。これだけでも十分すごいですが、特定の病気にフォーカスして予防を測ろうとするアプリがありました。HearOです。


商標登録第号(権利者:コーディオ メディカル リミテッド)
【商標】

【指定商品/役務】
医療診断及び医療モニタリングのための人の声、歌、スピーチ、呼吸の分析を可能にするコンピュータソフトウェア,人の声、歌、スピーチ、呼吸の医療診断及び測定のため医療診断音声センサー など


HearOは、患者の音声データのみで、心不全の状態を監視および検出できるアプリです。

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下する病気のこと。機能低下により肺や肝臓などに血液が滞って、呼吸困難や動悸といった症状が引き起こされます。
世界中で 2,600 万人以上が患っていると言われており、米国やヨーロッパにおける入院の主な原因となっています。日本生活習慣病予防協会によると、がんに次いで2番目に多い日本人の死因である心臓病のうち、最も多いのが心不全とのことです。

心不全を発症すると息切れの症状がみられます。その息切れに基づいて心不全の兆候を検知するのが、HearOです。
患者はアプリをスマホにダウンロードし、症状が治まっている「健康」時にスピーチを録音します。それ以降は1日30 秒の録音を行うだけ。人工知能と音声処理アルゴリズムが健康時の音声モデルと比較をし、息切れの度合いから、肺に血液が溜まっていないかを検出します。
コロナ禍以降、世界各国の病院は、患者の診察を遠隔医療化することを試みており、HearOもこれに寄与しています。

未来コンパスが指すミライ

私は、定期的にアレルギーの薬を処方してもらっていますが、オンライン診療を利用することがあります。コロナも相まって遠隔医療は増えていますし、今後必ず普及するでしょう。
HearOのように日常のデータから病気の兆候をキャッチする、遠隔医療をサポートするテクノロジー・サービスが増えることはほぼ確実でしょう。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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