コミュ障経営者のギモン その21「好きなことを仕事にする」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

好きなことを仕事にする

同じジムに通う女性が、とにかく走るのが好きらしいんです。
(ただ、この数ヶ月、コロナもあってそのジムは自粛しています・・・涙)
僕なんて、走るの大嫌いなんで、50mでも嫌なんですけどね。
その方、100Kmとかそういうレースに出たりするくらいなんです。
聞けば、「永遠に走っていられる♪」って感じらしいんです。

でね、思ったんですよ・・・

まじで永遠に走っていられるのか?

・・・って。

当たり前ですが、僕より遥かに体力があるとは言え、いつか切れるわけです。
仮に体力がもったとしても、膝とか痛める可能性もありますよね。
お腹も減ってくるし、眠くもなってくるだろうし。
だから、実際の話、「永遠に走る」って物理的に無理なんです。

まぁ、こんなこと言うとね・・・
「絶対に」嫌われます。

コミュ障ってね、こういうことなんです(涙)
なので、僕は、思い浮かんだことは何でも、一旦、口に出すのをグッと我慢します。
おしゃべりタイプのコミュ障の方は気をつけましょうね。

ところで、「好きなことを仕事にすればいい」って発言すると大体炎上しません?(苦笑)

ZOZOの創業者の前澤さんが

お金がないから好きなことができない?
それなら、好きなことを仕事にしたらいいかも。
好きなことできてお金もらえて、一石二

とかってツイートして物議をかもしてるそうですね。

「簡単に言うな!」
「好きなことは金にならない!」
・・・ってコメントが出てきますよね。

◯「簡単に言うな!」の人

「それができたらやってるわッ!」って力強いメッセージを感じますよね(汗)
何らかの事情で、その人にとって好きなことを仕事にするのが難しかったんでしょうね。

例えば・・・
「バスケが好きだけど、身長が伸びなくてプロになるのを諦めた」って人はいそうですよね。
ちょっと思ったんですけど、こういう人って、バスケが好きというより・・・
バスケットボールのコート上で華麗なテクニックを披露し、その姿を大勢の人に見てもらいたい、しかも願わくばプロ(NBAとか)の舞台で!
・・・みたいなことを描いてたりしませんかね?

僕は趣味で格闘技やってまして、好きですけど、「プロ格闘家になろう」って思いませんからね(汗)
NBAについて調べてみたところ、NBA選手って世界でたった450名だそうですね。
また、人数ってことで言えば、F1ドライバーとしてレースに参戦できる人数は20名とかだそうです。

上記のように「NBAプレーヤーとして活躍する」ではなく、「バスケに関わる仕事」と考えるだけでグッと選択肢は広がりますよね?
仮にそうした考え方で選択肢を増やせない場合、「簡単に言うな!」って言う気持ちはわからんでもないですよね・・・
だって、F1ドライバーって狭き門というか、ほぼ隙間無いやん(汗)ってレベルですからね・・・
メルセデスAMGをサポートしているエプソンに就職するという選択肢が浮かべば、「好きなこと(に関わること)を仕事にする」というのはグッと現実的になるはずですが。

◯「好きなことは金にならない!」の人

これは「好きなことを仕事にしたとき、自分が理想とする生活をおくるための費用を稼ぐことができない」ということなんでしょうかね。

仮にそう定義すると・・・

NBA選手の平均年俸って、8億円位らしいんです。
自分が理想とする生活が8億円未満でおくれるとしたら、「好きなことを仕事にしていける」ということになるんでしょうかね?
一方、理想の生活に年間50億かかるとなれば、最高年俸をもらうステファン・カリーでも無理です。
その場合、「好きなバスケ(NBAバスケットボール選手)は金にならない!」ってなっちゃうわけです。
気になって最低年俸の選手を調べてたら、数十万って選手もいるようなので、その場合はどうなんでしょうかね?
理想とする生活について、そんなに高望みしない人だとしても、年間100万くらいは必要だと思うんですよね。
それだとしても年俸数十万なら、「バスケは金にならない」ってなっちゃいません?
※ここでの年俸(収入)のについては、スポンサー収入とかはとりあえず除外して考えています。

ここまでの差は無いにしても、あらゆる世界で年俸の最高と最低の差は相当あると思うんです。
例えば、「漫画が好きだから」ってことで、「漫画家」って選択肢が浮かんだとしても、売れない漫画家と、『ワンピース』の尾田栄一郎さんの年収差は数十億倍になりますよね・・・
近年、Web漫画が増えたので、漫画家の需要は急増してて、以前よりもデビューしやすくなっていると聞いたことがあります。
もちろん尾田さんのように大ヒット漫画家にはなれないかもしれませんが、「簡単に言うな!」って逆ギレするほどには難しくない状況になってきている訳です。

一方、理想の生活に必要なコストは人によってかなり差はあるでしょう。
そのコストが少ない人の方が、「好きなことは金にならない!」って感じずに済むってのはありそうですよね。
清貧に暮らすことができたとしたら、案外、可能なのかもしれません。

じゃあ、一体僕らは何を持って「簡単に言うな!」や「好きなことは金にならない!」と判断しているんでしょうかね。

ステファン・カリーにしても、尾田栄一郎さんにしても、もう一生食べていけるだけ稼いだわけです。
仮に今その仕事を辞めても食べるに困らないし、贅沢もできるはずです。
それでもなお、継続しているということは、やっぱり好きなんでしょうかね。

ところで、漫画家と言えば、『バガボンド』『SLAM DUNK』で有名な井上雄彦さん、彼は子供の頃から絵を描くのが好きで漫画家をになったようです。
好きを仕事にして、成功した典型例ですよね。
ところが、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』(2009年放送)では、かなり苦しんで漫画を描いてたんです。
プロとしてお金をいただく立場になり、どんな職業であれ、何らかの「責任」みたいなものは発生しますよね。
祖雨考えると、仮に好きを仕事にできたとしても、この「責任」の類で続けられないって人は多いように思いました。
ですから、もしかすると、好きを仕事にしてからが大変なんじゃないかな、って思うわけです。

・・・ところで、このメディアへの寄稿も本当に辛いですよ。
「責任」の類との戦い、そして意地・・・

よく考えたら、そもそも物を書くことが好きってわけじゃないって、今気づいちゃいましたよ・・・
そんなに好きじゃないことでも毎週1回20話以上は続けられるってことは証明できました。

 

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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