その200「『会社に貢献する』という条件があると、一気に白けてしまうというお話」

このコンテンツについて

なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「『会社に貢献する』という条件があると、一気に白けてしまうというお話」

先日、広報担当と打ち合わせをしていると、ある社員さんから社内の部活動について相談があったことを話してくれました。
一応、弊社には空手部というのがありまして・・・
会社で補助を出しているわけじゃないですが、趣味で格闘技をやっている僕と、フルコンタクト空手をやっているママさん、スポーツマンの営業担当が巻き込まれる形で活動しています。
ということもあり、僕は「別に良いんじゃない(好きにすれば)」というスタンスだったんです。
ただ、もし会社で補助を出すなら、条件の設定は必要だけど、と。
「例えばだけど・・・」と以下のような条件を広報担当に伝えました。
・部員は3名以上
・年間4回以上の活動実績があること(最低3ヶ月に1回は活動)
・活動内容についてのレポートを提出する
まぁ、ベタなやつですよね。
そしたら、広報担当者が、「会社に貢献する活動に限らないとダメじゃないですか!?会社で補助するなら尚更!」と食い下がってきたんです。
「いやいや、そんな部活動ってある!?」「そこまでしてやりたい社員さんいる!?」「そんな会社嫌だよ」と僕は思うわけです(苦笑)

ちなみにその広報担当は、『16Personalities』という性格診断テストによると、「番人(領事官)」だそうで、なるほどな・・・(汗)
弊社には他にも「番人(領事官)」にカテゴライズされるスタッフがいますが、真面目で正義感が強い印象で、会社のルールを真面目に守ってくれますね。
いい加減な僕からしたら、融通が利かないくらいに真面目ですw
まさに番人って感じ。

広報担当者とのやり取りで、「会社に貢献する」という条件が明文化された瞬間、思いっきり白けるんだな、とわかりました(苦笑)
会長で、創業者の僕がそう感じるのですから、社員さんからしたらもっとでしょうね(汗)
そもそも、明文化するのではなく、あらゆる社内での活動が、会社及び社会の発展に間接的にでも貢献する設計であることが重要ですね。
とって欲しい行動を、自然ととらせる設計ということですから、ベストセラー『仕掛学』のようなアイデアが使えるかもしれませんね。
その場合、「仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる」という二重の目的を意識しないといけないようです。
よく出てくる例で、バスケットボールのゴールがついているゴミ箱があります。
これは、「ゴミを然るべき場所に捨ててほしい」仕掛ける側と、「(ゴミを)ゴールに入れたくなる」仕掛けられる側で目的は違うということですね。
こんな風に会社側の目的につながる行動を社員さんに促すように、社員さん側の目的を創るわけですが、こうした仕掛けを考えるのは経営者やマネージャーの腕の見せどころかもしれません。

ちなみに、部活動の提案をくれた社員さんが作りたい部は・・・読書部でした。
単に書籍購入の補助が欲しかっただけなんじゃぁ・・・(汗)
書籍購入補助の制度は弊社にもありますけどね・・・
ところで、会社が社員さんに読んでもらいたい本を、社員さんが買ってしまう仕掛けってどんなものでしょうかね?

 

著者の他の記事を見る

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

感想・著者への質問はこちらから