お医者さんは、なやんでる。 第9回 「人工知能 vs 医者」

第9回 「人工知能 vs 医者」

お医者さん
お医者さん
フリーランスの医師になって数年。組織に縛られることもないし、遠隔画像診断がメインだから自宅で仕事ができる。
お医者さん
お医者さん
ワークライフバランスも自由で、趣味や遊びも充実。そこまで贅沢しなければ十分食べていけるし、独立して本当によかった。
先生、それ今後なくなる仕事ってやつじゃあないですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うっ、な、何だよ!……君、だれ?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……ふ、ふうん。で、何だって?この仕事がなくなるだって?なんでそんなことわかるんだよ。
AIですよ。先生がメインでやっている画像診断は、そのうちAIがやるようになります。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
あ、ああ、なんだ、AIか。君はあんまりわかってないかもしれないけど、画像診断っていうのは、臨床的な判断も必要なんだ。現場を知らないAIがそんなに簡単に代行できるもんじゃないの。
確かに現在はまだ単純な画像診断ができる程度です。でも臨床との総合判断に関する研究も進んでいるので、完全に移行するのも時間の問題かと。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
う……じゃ、じゃあどうすればいいんだ!
先生がAIを使った画像診断をやればいんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
は? 何を言ってるんだ。なんでそんな自分の首を絞めるようなこと…
そんなことはありません。いいですか先生、AIが画像診断を担うようになる未来は変えられない。一方現場では先生のように、「AIに仕事を奪われるなんてまだまだ先だ」という見方をされている。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
だから何だって言うんだよ。
つまり、今のうちからAIに詳しくなっておけば、将来AI化が必須になった際、先生はAI診察のパイオニアになれるってことですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
!! ……いやでも、それでどう稼いでいくんだよ。
それはもう、やり方は無限にあります。「AIを利用した診療のコンサルティング」とか「医療に特化したAIサービスを開発して病院に販売する」とか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
お、おお…
AIと医療の架け橋になることができれば、もっともっと大きな利益を得られるようになります。先生はフリーランスなんですし、別に今の業務だけを続ける理由はないんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そう言われれば、その通りだな。フリーランスなんだから、別に何やってもいいんだよな。
そうです!医療にかかわらずですが、時代の変化に合わせて戦略を考えることが大切なんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
よし!学会繋がりでAIの導入経験できそうな案件聞いてみるか。あと、今日帰りにプログラミングの本買って帰ろ!
両方ですか!!さすがです!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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