第48回 食べているのは、チョコレート風味の砂糖?

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第48回 食べているのは、チョコレート風味の砂糖?

安田
私、実はチョコレートが大好きでして。ところがしょっちゅう食べていたら、肌がアトピーっぽくなってしまったんですよ。

久保
え、そうでしたか。お砂糖の摂りすぎか、はたまたカカオに何かしらのアレルギー反応が出てしまったのか…。
安田
それでお世話になっている鍼灸の先生に相談してみたんですよ。東洋医学の知識も豊富な方なので。すると「安田さん、それはチョコレートの食べ過ぎです。控えてください」とハッキリ言われてしまいました(笑)。

久保
笑。ちなみにどれくらい食べていました?
安田
大きな袋に入っているチョコ、ありますよね。あれを毎日1袋。朝からずっと…。

久保
1日1袋?! それは確かに食べ過ぎだと言わざるを得ないです(笑)。
安田
でも確か、久保さんも以前「チョコは食べ方によってはカラダに良い」と仰っていましたよね? もちろんお砂糖は入っているでしょうけど、添加物モリモリのジャンク菓子でもないんだし。

久保
確かにチョコレートの原料である「カカオ」自体はとても素晴らしい食材です。よく「スーパーフード」と呼ばれていますよね。
安田
ああ、確かに。昔のアメリカとかメキシコとかでは、カカオは薬みたいに扱われていたって聞いたことがあります。

久保
そうですそうです。リラックス効果があったり、腸内環境を整えたり、活性酸素を抑えて体内の酸化を止めてくれる。カカオはそんな食材なんです。ところで安田さんは「ローカカオ」ってご存知ですか?
安田
ローカカオ…いや、知らないですね。なんですか、それ?

久保
ロー、つまり「生(なま)」のカカオのことで、パウダー状で売っています。で、これはそのまま食べると「罰ゲームか?!」というくらい苦いんですが(笑)。実は還元力がものすごく高いので、アンチエイジングに適した食品なんですよ。
安田
へぇ、還元力が高いということはナゴミソルトと同じじゃないですか! ということはやはりカカオ自体はカラダにいいんですね。

久保
そうですね。ただそれを美味しく食べるために砂糖をたくさん加えるので…。それが「チョコレートはカラダに悪い」と言われてしまう理由だと思います。
安田
鍼灸の先生には「どうしてもチョコを食べたいならブラックチョコにしなさい」って言われましたけど、あれはまずいじゃないですか。というかそもそも私はミルクチョコしか食べられないんです(笑)。

久保
私もブラックチョコは苦手ですね。苦味が強すぎます。
安田
そう考えると、私は「チョコが好き」と言っているものの、その実態としては「砂糖が好き」というだけなのかもしれないと思い始めてきました。

久保
そういう方は多いと思います。あとは「チョコを食べるとリラックスするんです」なんて言う方も、実際は、砂糖を食べることで脳から出てくる中毒物質にやられている状態なんじゃないかなと。
安田
前回の対談で「糖を摂取し続けてしまうのは本能のせい」とお聞きしましたが、私も結局は「チョコはカラダに良いんだ!」と言い訳をしながら、本能に支配されているわけですね。

久保
残念ながらそう言わざるを得ないかもしれません(笑)。
安田
ちなみに先ほど、ローカカオは罰ゲームのように苦いということでしたが、どうにかして美味しく食べる方法はないんでしょうか。

久保
バナナと牛乳と一緒にミキサーにかけると、チョコバナナスムージーのようになって、美味しく摂取できますよ。もし「チョコ」として食べたいということであれば、ココナッツシュガーを使っているカカオ72%のチョコもオススメです。
安田
カカオが72%…苦いですよね、きっと。

久保
いえいえ、全然。ブラックチョコのようなキツい苦味もなく、すごく美味しくて食べやすいんですよ。ココナッツシュガーって体内に入っても血糖値を上げづらいので、私は甘味料として料理に使うこともあるくらいです。
安田
へぇ、そうなんですね。私はよく某有名お菓子メーカーの板チョコのミルクチョコが大好きなんですが。あれは、カカオと砂糖はどれくらいの割合なんですかね。

久保
どれくらいの含有量かはちょっとわかりませんが、原材料名の最初に「砂糖」と表記されています。ということはつまり、この製品の中で一番多く含まれているのは砂糖だということなんですよ。
安田
え?! そうだったんですか…ちょっとショックです(笑)。

久保
笑。まあそういう意味では皆さん、チョコを食べているのではなく、砂糖を食べているわけです(笑)。
安田
チョコレート風味のお砂糖、ということですか。やっぱり私は砂糖の中毒性に踊らされているみたいです。健康のためにも、これからはチョコの食べ過ぎに気をつけなくてはいけませんね。

久保
そうですね。少なくとも、原材料の表示順で、一番最初に「カカオ」と書かれているチョコを食べられる方がよろしいかと思います。
安田
わかりました。甘くないチョコは苦手ですが、頑張ってみます。それにしても、砂糖って本当にいろんな食品に入り込んでいますよね。

久保
そうですねぇ。砂糖と適度な油。この2つが食品に入っていると、人間は途端に美味しく感じるようになるんですよ。加工食品なんて、その最たるものです。
安田
なるほどなぁ。食品ビジネスでは砂糖は必需品なんですね。だからこそ私たち自身で「何を食べるべきか」をしっかり見極められるようにならなければいけないということなんでしょう。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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