第158回 知識やスキルより「若さのエネルギー」が勝つ理由

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第158回 知識やスキルより「若さのエネルギー」が勝つ理由

安田

今日は「38歳ビジネス最強説」について聞いてみたいんです。倉橋さんご自身も、38歳のときにお店が大変だったと仰ってましたよね。当時の若いエネルギーがなければ乗り越えられなかったかもしれないと。


倉橋

そうなんです。あの時は東日本大震災があって、この会社は自分が先頭に立たない限り立て直せないと思って、もう体力とエネルギーの全部を注ぎ込んだんですよ。今振り返ると、あれは38歳だったからできたことだな〜と。

安田

なるほどなぁ。でも今の方が経験もスキルもあるわけじゃないですか。


倉橋

確かにあの頃に比べれば、今はビジネスで大きな失敗はしなくなりました。経験則もあるし、人に協力してもらう方法もわかってきた。でもエネルギー量は確実に減少しているんですよね。当時は熱量だけで突き進めましたけど。

安田

私も全く同じで、今の方が仕事はできる自信があるんですけど、パフォーマンスが最大になっているかというとそんなことはないですからね。体力やエネルギーとの掛け算で結果が出るわけで。能力だけ高くてもパフォーマンスが最大にはならない。自分の人生でどこかで年齢を止められるなら、38歳あたりが一番いいなと思います。


倉橋

当時のエネルギーの方が、その後身につけた知識やスキルより大きかったように思いますしね。今は失敗することがわかるから、挑戦のスタートラインに立つことを躊躇してしまうことが出てきました。

安田

経験がないから思い切ったことができるんでしょうね。今は先々を考えると、どうしてもブレーキがかかってしまう。でも若すぎると今度は「若造が」って見え方をするし、なかなか難しいじゃないですか。


倉橋

そういう意味でも、30代後半ぐらいがちょうどいいんじゃないですかね。20代で能力も経験も失敗も積んで、30代になったときが一番結果を出しやすい。逆に言えば、その年齢で全然違うことに手を出してしまうのは、ちょっともったいないなと思いますね。

安田

確かになぁ。でも日本の企業って、自分で会社を作らない限り、30代で経営に携わるのは現実的に難しいじゃないですか。前の社長がなかなか辞めないし、早くて45、大企業だと60ぐらいにならないと社長になれなかったりする。


倉橋

そういう意味では、今回万代で38歳や41歳の人にトップを任せたのは、いいタイミングだったなと思います。経験もあって、時間の使い方もわかっていて、何より集中して仕事をしている。

安田

いいですねぇ。とはいえ、万代さんぐらいの規模になると当然50代のリーダーもいるわけで、そこを飛ばして30代後半を抜擢するとなると、逆転人事になりますよね。


倉橋

その辺りは結構気を使いましたね。でも会社がこれまでのフェーズから変わっていくためには、若い世代に引き継がない限り前に進みませんから。

安田

私も今、20歳近く下の柳澤さんと組んでやっているんですけど、10歳ぐらい下だとまだ価値観が近すぎて新しいことが生まれにくい。やっぱり40前後ぐらいの人と組むと視点が全然違って、自分の知見も活きるし、若い人のエネルギーも活きる。すごく相性がいいんです。

倉橋

一気に若返った方がいいんでしょうね。僕自身があの38歳のときに体力とエネルギーを全振りして会社を立て直した経験があるから、「38歳には何かある」とずっと感じていたんです。

安田

だから次の社長も40歳前後の人と決めていたわけですか。その年齢へのこだわりが、ご自身の原体験から来ているというのは説得力がありますね。

倉橋

そうですね。候補者がちょうどその年齢のタイミングだったので、今しかないなと。彼らを見ていると、ずっとビジネスを楽しんでいるように見えるんですよ。挑戦する気力と、それを形にする経験がちょうど重なる時期なんだと思います。

安田

なるほどなぁ。私は46歳で会社が潰れたんですけど、振り返ると40代半ばだからギリギリ新しいことを始められたんだと思います。あと10年遅く潰れていたら、ゼロからやり直す気力が湧かなかったかもしれない。年齢のせいにしたくはないですけど、少なからず影響はあるなと感じます。

倉橋

同感です。逆に言えばエネルギーが溢れていたからこそ、安田さんの前の会社では勢いで突き進みすぎた面もあったかもしれない。でもそのエネルギーがなければ、今の素晴らしいビジネスモデルも生まれていないわけで。安田さんは今、すごく幸せそうに見えますよ。

安田

ありがとうございます。確かに幸せではありますね(笑)。じゃあ倉橋さんとしては、世代交代するなら40前後ぐらいの人に思い切ってバトンタッチするのがおすすめだと。

倉橋

ええ、そう思います。

安田

自分を一回り小さくしたような、ミニチュア版みたいな人を次期社長にしがちですけど、それじゃダメだということですね。

倉橋

自分と同じタイプの人を選ぶと、結局「ここはこうしろ」と口を出したくなるんですよね。それではうまくいかない。タイプの違う人に任せて、自分は新しいフィールドに進んでいく。それが経営者にとっても会社にとっても一番いい形だと僕は思っています。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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