第195回 町中華で出会った「大手の伝統芸能」

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/町中華で出会った「大手の伝統芸能」

大手ビール会社のM部長と飲みに行きました。

場所は、地元で人気の町中華!

お世辞にも「おしゃれ」とは言えないけど、、、「清潔」にしているお店。

「高級食材」を使っているわけではないけど、、、「丁寧な味付け」をしているお店。

「大騒ぎする客」がいるわけではないけど、、、「たいそう賑わっている」繁盛店。

M部長も大変気に入ってくれて、

テーブルには、ビールの「空き瓶が何本も!!」並びます。

当然ですが、

M部長のところのビールです。

テーブル上の空き瓶を下げようとする店主に対して、

「後片付けをお手伝いしますから、しばらく並べさせてもらっても良いですか?」

と、相談します。

店主からは、

「お!あなた、◯◯◯の人なの?」

「昔は、そうやってテーブルに並べまくって、他の客に、商品紹介してた営業さん、たくさんいたよねぇ」

「それで、本当に皿洗いなんかも手伝ってくれてさw」

「楽しい思い出が蘇ってきたよ。もちろん、並べまくってよ!」

嬉しい返答に、喜ぶM部長。

大瓶も14本を超えたころに、

店主が、再び現れ、

「おたくんとこのビール、もうなくなっちゃったよ」

と告げると、

「じゃ、お会計をお願いしますね!」

と、テキパキと後片付けを手伝い始めるM部長。

その姿は、周りのテーブルの方からも、好意的に受け取られていたようで、

「これから、◯◯◯さんとこの酒を贔屓にするよ!」

などの声があちこちから上がっており、

M部長は、

「ありがとうございます!」

の声とともに、周りのテーブルの食べ終わったお皿なども下げに回ります。

「ああ、こうして、自社や商品への愛情が社内外に伝わっていくんだなぁ」

と、大手の文化・伝統が積み重ねられていくシーンを見たのです。

という、感想は、後日のことで、

当日は、

「633mlの大瓶」ばかりに付き合わされたおかげで、お腹がパンパン。。

町中華の人気メニューである、

かにチャーハンも、エビチリも、麻婆豆腐も食べることができず、、

「餃子3個と、ザーサイだけしか食べられやんかったな、、」という罰ゲームのような夕食だったという出来事の共有でございました。。

さて、今夜も町中華で飲ろうぜ!

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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