「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第156回 人が辞めない会社にするための「腹のくくり方」

そうなんですよ。それでね、もしも中辻さんが運送会社の社長だったら、この悪循環をどう断ち切るかお聞きしてみたいなと。

マメノキカンパニーを起業したての頃に、なんとかして仕事を取ってこなきゃと焦って、かなり安値で引き受けたことがあったんです。そしたら大コケしまして…。

その仕事をこなすのが私だけなら私が無理すればすむ話ですが、ウチはポスティング会社なので仕事はポスティングスタッフに依頼する必要がある。つまり無理な価格で引き受けてしまうと、スタッフさんに無理をしてもらわなきゃいけなくなるわけです。

ええ、本当に。無理な価格で仕事を引き受けるべきじゃないって痛感した出来事でした。運送会社さんにも同じことが言えると思うんです。最終的にドライバーさんにどれだけ利益を還元できるか…それを考えずに安易に低価格で仕事を受けるのは、経営者としてアカンやろって。

そうそう(笑)。「ウチは下請けだから」なんて言い訳してちゃダメってことです(笑)。というか普通に考えて、上から降りてくる仕事なんてそれぞれの会社で利益を抜かれているわけですから、自分の会社にしっかりとした利益を残せるほどの価格では、仕事はまわってこないですよね。

ものすごい安い金額で請け負っているポスティング会社だったら、当然配布員さんたちの報酬もそんなに高くないから満足度もそれほど高くないはず。そうなるとスタッフの入れ替わりも激しくなるから、常に新人をイチから育てなきゃいけない状態になりますよね。

あぁそうか…。でも値段だけで選ぶとリスクもありますよ。例えば『ペイント王』にも、安い会社で外壁塗装をやったんだけど2年もしないうちに塗装が剥げたり変色したりして困っているっていうお客様からのご相談がよくありますから。

物流業界にも「医薬品の輸送専門」とか「女性ドライバー限定の丁寧な輸送」とかで価格を高く設定している企業もありますけど、仕事はバンバン入ってくるみたいで。だからそういう努力はいくらでもやりようがあるんですよね。

仰るとおりです。ちなみにウチの会社にも「下請けから元請けになりたいと思っているから協力してほしい」っていう相談がすごく多くて。ただ生意気なことを言わせてもらうと、考え方がぬるい経営者さんがめっちゃ多い!(笑)

「お金はあんまりかけずにホームページを作りたい」とか言うんですよ。でもね、今まで「下請け」として仕事をもらっていた立場から、自分で営業して集客しなきゃいけない「元請け」になるのに、なんで広告費をケチってんねん、と(笑)。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















